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産業医はいる。なぜ「産業FP」はいないのか。私が「聞く役割」と「売る役割」を分けるまで
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産業医はいる。なぜ「産業FP」はいないのか。私が「聞く役割」と「売る役割」を分けるまで

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保険の現場に十五年いた私が、「誰に相談したらいいかわからなかった」という声と向き合い続けてたどり着いた答え


株式会社Dragon connect代表の結城天志です。

2026年10月、書籍『産業FP 社員のお金の不安は、経営課題である』を出版しました。

産業医が身体の健康を支えるように、社員の経済的健康を支える専門職「産業FP」。

今回は制度の説明ではなく、なぜ私が産業FPという仕組みをつくろうと思ったのかを書いてみたいと思います。

「またか」と思ったキャンセルの日

2011年3月11日。私は金融業界に入って半年目でした。

製造業の生産管理、住宅メーカーの営業を経て、この業界に入ったばかり。

まだ売れない新人でした。

その日の午後、新規のお客様との約束がありました。

向かう途中でキャンセルの連絡が入りました。

お子さんが熱を出したということでした。

正直に言うと、その時私は

「またか」

と思いました。

空いた時間をどうしようかと考えながら車を走らせていました。

その途中で、東日本大震災が起きました。

その後しばらく、私は契約者のもとを一件一件回りました。

そこで思い知らされたことがあります。

契約を預かっていなければ、私は何も渡せない。

それ以来、「万が一」という言葉を軽く使えなくなりました。

保険が人を助ける瞬間を、私は確かに見ました。

六十の証券ファイルを前に

業績も上がり、紹介をいただけるようになった頃のことです。あるお母様の保険を見てほしいという依頼がありました。

「遠くから来なくていいのに」

そう言われながら見せていただいたのが、尋常ではない量の証券ファイルでした。

ある時期に契約が集中し、似たような保障が何重にも積み重なっていました。

私の頭の中には、一つの言葉が浮かびました。

「これは、おかしい」

でも、その言葉を口にできませんでした。

言えば、過去に担当していた人との関係を壊すかもしれない。

自分の仕事にも影響するかもしれない。

帰りの車の中で考えていたのは、

「これは個人の問題ではなく、構造の問題だ」

ということでした。

誰か一人が良い人になるだけでは解決できない。

そう感じた出来事でした。

「この勉強会のことは内緒にしてください」

2015年。私は業界の仲間と学ぶ場として「結城塾」を始めました。

その場で何度も言われた言葉があります。

「結城さん、この勉強会に参加していることは、他の先輩には内緒にしてください」

最初は驚きました。

でも、その言葉の中に業界の現実が詰まっているように思えました。

学ぶことを隠さなければならない。

お客様のためを考えることが、時に評価されない。

そんな空気が確かにありました。

数字の上では順調でした。

ありがたいことに実績も評価していただいていました。

けれど、

「お客様が喜んでくれたこと」

と

「自分の報酬になること」

が一致しない場面を何度も経験しました。

初回相談、11万円

転機になったのはコロナ禍でした。相談そのものに価値を感じてくださる方がいるのではないか。

そう考えて有料相談を始めました。

周囲からは、

「日本では無理だ」

とも言われました。

それでも挑戦しました。

最初の相談料は11万円でした。

相談が終わった後、お客様から感謝の言葉をいただきました。

その時に思ったんです。

「こんなふうに感謝されることがあるんだな」

商品を売ったからではない。

相談に乗ったことそのものに価値を感じていただけた。

私にとって大きな出来事でした。

やめるのではなく、分ける

では、保険をやめればいいのか。何度も考えました。

今でも考えます。

保険を扱わなければ、

「結局は売りたいんでしょう」

と言われることもなくなります。

でも私は、保険が人を助ける瞬間も知っています。

東日本大震災で見た光景が、その考えを簡単には許しませんでした。

だから私は、やめるのではなく分けることにしました。

聞く役割と、売る役割を分ける。

相談の場では売らない。

提案を求められたとしても、時間を分ける。

その仕組みが守られているかを第三者が確認する。

精神論ではなく、仕組みにする。

それが産業FPの原点です。

私はよく、

「中立ですか」

と聞かれます。

正直に言えば、

中立なんて、この世に存在しない。

と思っています。

だからこそ、

役割を分ける。

そして、その分け方を外から確認できるようにする。

産業FPは、その考え方から生まれました。

「誰に相談したらいいかわからなかった」

相談現場で何度も聞いてきた言葉があります。


「誰に相談したらいいかわからなかった」


相続。

介護。

医療費。

離婚。

親のこと。

子どものこと。

多くの悩みは、商品販売にはつながりません。

だからこそ、相談先が見つからない。

企業も困っています。

従業員も困っています。

専門家も悩んでいます。

誰も悪くない。

でも、仕組みが足りない。

私はそう感じています。

本に込めた願い

私は祖母っ子でした。

新聞に載った私の写真を見て、祖母は「タカシだ、わかるよ」と言いました。

そのあと続いた言葉は、私には「社会のために仕事しなさい」と聞こえました。

祖母はいま、天国から見ています

産業FPは、その言葉に対する今の私なりの答えです。

社員がお金のことで悩み、誰にも相談できない。

企業も支え方がわからない。

専門家も本当に役に立ちたいと思いながら葛藤している。

そんな状況を少しでも変えたい。

その思いを、一冊の本と、一つの仕組みにしました。

それが『産業FP』です。

もしこの記事を読んで、

社員の顔が浮かんだ方がいたら。

お客様の顔が浮かんだ方がいたら。

大切な人の顔が浮かんだ方がいたら。

ぜひ本を手に取っていただけたら嬉しく思います。

そして同じ課題意識を持つ方とは、一緒にこの仕組みを育てていけたらと思っています。

書籍『産業FP 社員のお金の不安は、経営課題である』

Amazonにて販売中▼Amazon商品ページ

https://www.amazon.co.jp/dp/B0HLP6X525


産業FPについて詳しく知りたい方へ

企業向け産業FP顧問サービス、産業FP認定講座の詳細はこちら。

▼産業FP紹介ページ

https://dragon-connect.net/sangyo-fp/






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