「タイヤから摩耗で生じる微粒子を魚が取り込み続けたら貧血が起こる」愛媛大学などの研究グループが研究結果を18日に発表しました。タイヤ由来の粒子の生態リスクを評価する際は、化学物質の作用を考えなければならない重要な成果としています。
この研究の成果は、愛媛大学沿岸環境科学研究センターの仲山慶講師や国立環境研究所などの研究グループが発表しました。
仲山講師によりますと、研究ではタイヤが路面に接する部分を細かく砕いた粒子をコイのエサに2.5%以上混ぜ2週間以上与え続けると、血液中の酸素を運ぶ赤血球とこの中に含まれるタンパク質・ヘモグロビンの濃度が低下。濃度が2.5%のエサだとヘモグロビンの濃度は通常の物と比べ1~2割程度下がっていたほか、内蔵には赤血球が壊れた後にできる物質の沈着が濃度に応じて増えていたとしています。
この一方、この粒子を含まないエサに切り替えると1週間後には血液の状態が回復。また紫外線で劣化させた粒子では、エサの濃度を5.0%にしても影響は見られなかったということです。
これらのことから、コイに起きた貧血の要因は粒子そのものではなく、タイヤに加えられた添加物などの化学物質や、この化学物質が変化したものの可能性が高いと結論づけています。
研究結果はタイヤ由来の粒子の生態リスクを評価する際は粒子の量だけでなく、粒子から溶け出す化学物質の作用と変化、行方まで視野に入れなければならない重要な成果としています。
この研究はマイクロプラスチック汚染への関心が高まるなか、タイヤの摩擦によって生じる微粒子が環境中に大量に放出されているものの、魚が死に至らない慢性的な影響の多くが解明されてないため行ったということです。
仲山講師は今後、魚だけでなく甲殻類など別の生物への影響を調べていくほか、自動車が不可欠な時代に環境とどう折り合いをつけて持続可能的にタイヤを使用していくか、議論していきたいと話しています。
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