10月1日から酒税法の改正でビール・発泡酒・第3のビールの税額が統一される。ビールの酒税額はこれまでよりも約9円下がり、発泡酒と第3のビールは7円ほど上がる。
さらに、他のビールなどに比べて価格が高い“クラフトビール”も今後、消費者の選択肢に入りやすくなるかもしれない。酒を巡る環境が大きく変わりそうだ。詳しく取材した。
酒税法改正 ビールが選ばれない傾向が強くなってきたことが背景に
そもそも『ビール類』は3種類あり、麦芽比率が50%以上などが「ビール」。50%未満25%以上などが「発泡酒」。原料や製法を変えたビール風味の酒が「第3のビール」となっている。
これまでそれぞれにかかる税金の額は違ったが10月1日に酒税法が改正され税額が350ミリリットル1缶で54.25円に統一されることに。
これによって、ビールの酒税額はこれまでよりも約9円下がり、発泡酒と第3のビールは7円ほど上がる。そうすると、店での販売価格も変わることになる。
なぜ今回、税の額を変更することになったのか。国によるとビール類3種類は似たような酒であるのに、税額が違うことで最も高いビールが消費者に選ばれない傾向が強くなってきた。こうした影響などから税額を同じにして市場の健全化を図ろうというねらいがある。

金麦は「第3のビール」から「ビール」へ
日本人が最も好きな酒、という調査結果もあるビール類。
10月から価格が変わることについて、大分市のスーパーで買い物客にたずねると「値段が変わったらやっぱり安い方になる」「あんまり気にしない」「よっぽど値段が変われば気にするが、飲むものが決まっているから」などとの声が聞かれた。
こちらのスーパーでは9月11日に取材した時、4つのメーカーの主力製品の平均価格はビールが217円、発泡酒と第3のビールは173円だった。10月の酒税法の改正でこれらの平均価格はビールが206円、発泡酒が195円、第3のビールが184円となり価格差は縮まる。
こうした中、サントリーは第3のビールである「金麦」について10月6日から麦芽の比率を上げ「ビール」として発売すると発表。
キリンビールの「本麒麟」、サッポロビールの「麦とホップ」なども第3のビールから「ビール」に格上げされる。
ーーHIヒロセ 吉村洋司さん
「価格帯が10円20円しか変わらなくなってくるので客としては今まで飲んだことが無いビール、特にビールの方が今から需要が増えてくると思う」

クラフトビールの価格はどうなる?
そして気になるのが近年人気のクラフトビール。他のビール類よりもすこし値段が高い分、地元の素材を使っていることなどを強みにしている。クラフトビールの価格はどうなるのかも取材した。
大分市府内町にあるクラフトビールの醸造所。こちらでは県産のカボスやナシなどを使った香り豊かなクラフトビールを10種類つくり330ミリリットル1ビンあたり650円で販売している。
店によるとクラフトビールは醸造所ごとに麦芽の比率が異なっていてビールの酒税を納めるところもあれば発泡酒の酒税を納めるところもあるそうだ。
こちらのクラフトビールは「ビール」の酒税を納めている。
ーーMonkeyMountainエーバーグ・ダレン代表
「麦芽の比率が高いものは酒税が下がるので私たちがつくるビールは税額が下がる。それは良いこと。原材料費が上昇している中で価格は据え置くことができる」

原材料費などが高騰するなか“ビール”の酒税を納めている醸造所は「価格を維持することが出来る」
店では原材料費などが高騰し値上げを考えていたがビールの税額が下がるため今後も価格を維持することが出来るという。またエーバーグさんは、出身地であるアメリカ・オレゴン州ではビールの税負担が日本と比べて大幅に軽いといい、クラフトビール市場を盛り上げるためにもさらに改善が必要と話していた。
クラフトビール大手のヤッホーブルーイングでは主力商品でビールである「よなよなエール」を9円値下げすることなどを発表している。他のビールなどに比べて価格が高いクラフトビールも今後、選択肢に入りやすくなるかもしれない。


