「ジャッキーチェンと国旗を守ろう」「天安門広場で警察支持デモ」 香港ネットの“高等なりすまし”

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  • 「18日午前10時天安門広場で香港警察支持デモ」
  • ジャッキーチェンさんの“豹変”ぶりに批判
  • 建前はデモOK、実態はタブー 天安門広場に行ってみた

「18日午前10時天安門広場で香港警察支持デモ」

抗議活動が続く香港。収束の気配が見えない中、ネット上の対立もヒートアップしている。当初はデモを支持する側の主張が多かったが、中国共産党系の「環球時報」の記者が一部のデモ隊から暴行を受けた事件など、中国メディアがデモ隊の暴力行為を強調する報道姿勢に転換したこともあり、中国政府や香港政府への支持を訴える側の反撃も強まり、サイバー世論戦に拍車がかかっている。

ネット上に出回ったニセ告知

こうした中、ネット上には18日午前10時、北京の天安門広場で香港警察を支持する集会を行うとの告知が出回った。人民日報や新華社、共産党の青年組織のロゴが掲載されており、一見当局がお墨付きを与えたように作られているが、これは事実上デモや集会の自由がない中国を皮肉ったニセの告知。香港のSNSなどでは「高等なりすましだ」「100%支持するぞ」などと言った声が上がっている。いわば「香港警察支持を訴えたいなら、天安門広場でやってみろよ」という挑発とも受け取れる。

天安門広場で香港警察を支持する集会を行うというニセ告知

ジャッキーチェンさんの“豹変”ぶりに批判

中国政府寄りの姿勢で知られるジャッキーさんへの皮肉を込めたニセ告知

中には「ジャッキーチェンと共に国旗を守ろう」と、中国政府寄りの姿勢で知られるジャッキーさんへの皮肉を込めたニセ告知も登場。香港の一部の若者が中国国旗を海に投げ捨てた事件を受け、ジャッキーさんは、いち早く中国国営テレビの取材に対し「中国人の一人として国旗を守る」と発言していた。率先して愛国心を示したジャッキーさんだが、30年前の天安門事件の際、民主化運動を応援するイベントに参加していた映像をネット民に探し当てられ、その豹変ぶりをめぐりツッコミを受ける事態となっている。

30年前には天安門事件の民主活動家を応援するイベントに参加していた

建前はデモOK、実態はタブー 天安門広場に行ってみた

中国では、デモや集会の呼びかけは、当局が最も神経を尖らせているものの一つだ。中国の憲法には「中華人民共和国公民は、言論、出版、集会、結社、行進及び示威の自由を有する」と書かれており、建前上はデモの自由があるが、実態としては当局によって厳しく取り締まられている。ネット上のデモや政治的集会の呼びかけは即座に消されるため、これらのニセ告知も中国のネットではすぐに削除された模様だ。このため香港のSNSなどでは「本当に行く人がいたら笑える」などと話題となっていた。

デモが告知されていた日の天安門広場 周囲には多くの観光客と警察官

「香港警察支持デモ」の開催が告知されていた18日午前10時ごろ、実際に天安門広場に行ってみたところ、案の定観光客でごった返しており、集会が行われているような様子はなかった。毎朝、日の出の時間に掲揚される中国の国旗も普段通りたなびいており、周囲にジャッキーさんがいるような様子もなかった。天安門広場には普段から多くの警察官が警戒に当たっており、政治的な訴えでもしようものなら即座に止められる。30年前には大規模な民主化要求デモが行われた天安門広場だが、今やここで政治色の強いデモを行うことなどはタブー中のタブーとなっているのだ。

「アメリカによる香港干渉を強く非難する 8・28全国でアップルを叩き割ろう」とのニセ告知 これもアップルユーザーが多い中国本土を揶揄したもの

【執筆:FNN北京支局長 高橋宏朋】

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