農事組合法人の牛舎建設をめぐる訴訟で国からの補助金交付を阿蘇市が取り消し、その後、市が法人に損害賠償を支払った問題です。阿蘇市は、14日初めて法人に謝罪。市と法人は今後、畜産業の発展に向け、協力し合う姿勢を示しました。

14日午後、阿蘇市の松嶋 和子市長が訪れたのは、一の宮町にある農事組合法人甲誠牧場です。

甲誠牧場は、牛舎建設の事業で国の補助金の交付が決まっていたものの、阿蘇市が「周辺住民への説明がない」などとして2018年に交付を取り消しました。

その後、甲誠牧場は、市に損害賠償を求めた裁判で勝訴。

市は8300万円余りを甲誠牧場(こうせいぼくじょう)に支払っています。

14日は、今年3月に就任した松嶋市長が問題となった牛舎を視察し、市として初めて謝罪しました。

【阿蘇市 松嶋 和子市長】
「会社の規模次第では死活問題になりかねない。ご迷惑をおかけしているにもかかわらず、阿蘇市としてきちんとおわびできていなかったことは申し訳ありませんでした」

【甲誠牧場を運営 あか牛の三協グループ 岩本 尚弘 社長】
「力を合わせて阿蘇のあか牛を全国に広めていきましょう」

この問題をめぐっては、住民団体が当時の佐藤 義興市長に損害賠償金を支払わせるよう市に求めて提訴。

去年9月には8300万円あまりを佐藤市長に請求するよう命じる判決が言い渡されましたが、市はこれを不服として福岡高等裁判所に控訴していて、裁判が続いています。

テレビ熊本
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