御船町恐竜博物館は約30年前に御船町で見つかった翼竜の化石が新属新種であることが判明し、『ニッポノプテルス・ミフネンシス』と命名されたと13日発表しました。
国内で見つかった翼竜の化石で〈学名〉がついたのは初めてです。
上益城郡御船町(みふねまち)にある御船町恐竜博物館です。
平日の14日も博物館には県内外から家族連れなどが恐竜の化石などを見に来ていました。
【子どもたちの楽しんでいる様子】
【子ども】
「迫力があるところがかっこいいと思います」
そんな博物館で新たな発見が…
【御船町恐竜博物館 池上 直樹 主任学芸員】
「以前から見つかっていたアズダルコ科の翼竜(の化石)だと分かっていたものだが、その化石を詳しく調べた結果、まだ世界で見つかっていない新しい種類の翼竜だということが分かった」
こちらは、約9000万年前の後期白亜紀の地層から1996年に発見された翼竜の化石です。
長い首と翼を持つアズダルコ科の翼竜の頸椎の骨で、長さ6.5センチ、幅2.5センチと小さな化石ですが、実在していた翼竜の大きさは翼を広げるとおよそ2メートルに及ぶとされています。
この化石が見つかったのは博物館から約7キロメートル離れた天君ダムの上流です。
【御船町恐竜博物館 池上 直樹 主任学芸員】
「川が下に見えているが、地層の一番上の川底が残っていたところから(化石が)発見された」「1996年3月の御船町恐竜化石調査委員会で実施した発掘調査で発見された」
当時は、翼竜の化石が少なく、アズダルコ科の翼竜ということしか分かっていませんでした。
今回、御船町恐竜博物館や熊本大学などの研究チームがCTスキャナーによるデータなどに基づき詳しく調べたところ、その特徴から9つの頸椎の骨のうち6番目の骨と判明。
その上で他の翼竜の頸椎の骨とは特徴が異なることから新属・新種であることが分かり、『御船産の日本の翼』という意味を持つ『ニッポノプテルス・ミフネンシス』と命名されたということです。
翼竜の化石は国内では熊本を含む9道県から断片的なものしか見つかっておらず、国内で発見された化石に基づいて命名された翼竜は初めてとなります。
【県内からの来館者】
「過去のこと知るために来た。純粋だけど」
(『ニッポノプテルス・ミフネンシス』と名づけられたことは?)
「地元の昔の環境が分かる」
【御船町恐竜博物館 池上 直樹 主任学芸員】
「海に面した平野が広がっていた(と思われる御船町に)恐竜たちがいたり、翼竜が空を飛んでいた、そんな風景だったのでは」
「今まで世界で知られていないものがこの御船にいたことが分かり大変感動する。うれしい」