業績悪化で大規模なリストラに踏み切る日産自動車。
福岡県苅田町を始め国内の工場も統廃合の対象となっていて、従業員の間に不安が広がっています。
今年3月期の連結決算で純損益が約6700億円の大幅な赤字となった日産自動車。
13日に会見したイバン・エスピノーサ社長は経営再建へ向けた大なたをふるうことを発表し、2027年度までにグループ全体の従業員の15%にあたる2万人を削減し、世界17の工場を10カ所に統合する方針を明らかにしました。
◆日産自動車 エスピノーサ 社長
「(統廃合の)詳細を明らかせないが、日本の工場も含まれている」
日産の車両生産工場は全国に5カ所あり、そのうち2カ所が福岡県苅田町にあります。
◆苅田町にある日産の工場で働く人
「不安ですね、リストラされるのかなと思うが、まだ連絡がないので、どうなるのかなという感じ」
「給料とか。やっぱり働いてるので、生産がなくなると給料が減るのでその辺りがちょっと(不安)」
「あまり車が売れていないと思うので、不安は不安。できれば(工場が)なくなってほしくない」
苅田商工会議所の会頭を務める三原茂さんは、自らも自動車部品の製造会社を経営しています。
町内の工場が閉鎖される可能性は低いとみていますが、人員削減や減産による影響は避けられそうにありません。
◆苅田商工会議所 三原茂 会頭
「従業員を2万人削減する。九州はどれくらい(減らす)かわからない。当然、我々2次メーカーも同じように人員の見直しをしないといけない」
その一方で、今回の大規模なリストラは経営再建のために避けられない改革だと受け止めていて、三原さんは国をはじめ地域全体で問題に向き合う必要があるとしています。
◆苅田商工会議所 三原茂 会頭
「自動車メーカー、協力会社、地域もみんなで力を合わせて乗り越えて、新しい日産が生まれ変わるために、みんなが協力し合っていかないといけない、本当に重要な時期を迎えていると思っている」
日産のエスピノーサ社長は今回の発表に先立ち、北九州市で計画していたEV=電気自動車向けのバッテリー工場の建設断念を先週、福岡県の服部知事などに伝えていました。
新たな投資を取りやめて、縮小路線に転換した日産自動車。
次世代のクルマを柱に据えた地域の成長戦略にも暗い影を落としています。