2025年の「春の叙勲」の受章者が発表され、東海3県の272人の受章が決まりました。瑞宝単光章に選ばれた岐阜県美濃市の市原智子さん(いちはら・としこ 83)は、70年近くに渡り、美濃和紙の製造に携わっています。

 美濃市の市原智子さんは、中学校卒業後に家業を継ぎ、70年近くに渡り美濃和紙を作り続けています。

市原智子さん:
「これは未晒の雲龍紙です。繊維が巻くように、すく時に考えて」

 美濃和紙の材料の楮(こうぞ)が、龍がとぐろを巻いているように制作したという「雲龍紙(うんりゅうし)」に、水槽に浮かべたインクをかき混ぜて美濃和紙をあげると浮かび上がるという「マーブル紙」。同じ柄は2度とできない唯一無二の作品ばかりです。

市原智子さん:
「1番大事なことは厚さをそろえることですね。何枚すいても同じような厚さにということなんですけど、それがなかなかできなくて」

 市原さんは現在、紙漉き職人を志す人に対して、伝統の技術や心構えを受け継ぐ人材育成にも積極的に取り組んでいます。2025年の春の叙勲で、瑞宝単光章を受章しました。

市原智子さん:
「私はいずれはいなくなるので、跡を継いでくれる子がいるので良かったかなと思います。美濃和紙は丈夫で温かみのある、自慢のできる和紙だと思っています」

「春の叙勲」は、様々な分野で功績を残した人に贈られます。東海3県からは、愛知県が140人、岐阜県が68人、三重県が63人のあわせて271人が受章していて、後日、伝達式が行われる予定です。

東海テレビ
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