5月、アメリカに渡り会議を傍聴する核軍縮の専門家も今回の会合の重要性を強調します。

長崎大学 鈴木達治郎 客員教授
「もし合意文書が達成できなかったら、NPTに対する信頼性がさらに失われる恐れがある」「去年の準備会合は(核保有国の間でも)対立がなかなか厳しかった。今回どれだけ改善されるかが見どころ」

一方、ウクライナへの侵攻を巡って対立するロシアとEUが非難の応酬を繰り広げるなど厳しい幕開けとなりました。

鈴木さんは核兵器に頼る「核抑止」がもたらすリスクに目を向け、議論を深める必要があると話します。

「核抑止って効かないと核戦争が起きる」「核兵器に頼る政策についてどういうプラスマイナスがあるか、冷静な議論になれば少しは対話が進むかなと」

鈴木さんはこの春、設立当初から携わった長崎大学核兵器廃絶研究センターRECNAを退き、核兵器廃絶を目指す世界の科学者でつくる「パグウォッシュ会議」の役員に日本人として初めて就任しました。

「戦争をなくすために何ができるかというセッションを今度つくる」「広島・長崎の声が大事で、そこの研究機関としての責任はすごく重い」

準備委員会にはノーベル平和賞を受賞した日本被団協の被爆者も出席して発言する予定です。

長崎からはRECNAの研究者や大学生も現地を訪れ、サイドイベントを開いて核兵器の非人道性を訴えます。

国際社会が分断を深める中、議論の行方を注視する必要があります。

テレビ長崎
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