和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで飼育しているパンダ4頭全てが、6月に中国に返還されると、24日に発表された。

白浜町は、駅もバスも、どこもかしこもパンダだらけの「パンダのまち」だ。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、アドベンチャーワールドはもちろん、パンダの部屋が目玉になっているホテルや、パンダラーメンが人気の土産物店など、影響が避けられない現地の声を取材した。

■「海が見えるパンダの部屋」パンダの返還発表で予約急増
白良荘グランドホテルの目玉になっているのは、「海が見えるパンダの部屋」だ。
「とれたてっ!」諸岡陽太ディレクター:
『海が見えるパンダの部屋』におじゃまします。部屋に入ったらすぐにパンダがお出迎えしてくれます。(廊下には)足跡ですね。パンダの足跡ってこんなんなんや。
お部屋の中を見ると、枕がパンダです。部屋の奥には大きなパンダの写真と、窓からは白良浜の景色がお出迎えしてくれる、そんなお部屋です。パンダの写真が大きいです。

このホテルでは、パンダ返還の発表以降、5月・6月の予約が急増したということだ。
(Q.パンダのお部屋は今後どうなるのでしょうか?)
白良荘グランドホテル 関聡司さん:今のところ多くのお客様にご利用いただいており、すぐにやめることは考えていないです。

■人気メニュー「パンダラーメン」がある土産物店
JR白浜駅前の土産店では…。
土産屋まつや 北井さつき店長:
今までずっとパンダがいたので、ちょっと想像が追いつかないというか、『いなくなるの?』って感じですよね。
商品もいっぱいパンダがついているものが多いので、今後どうするか分からないです。とりあえずパンダはかわいいに尽きるので、すごく助かっていたというか、良かったんですけどね…。

この土産店では、人気のオリジナルメニュー「パンダラーメン(税込み990円)」もある。
(Q.「パンダラーメン」はこれからどうなるのですか?)
土産屋まつや 北井さつき店長:『白浜生まれのパンダがいっぱいいる』ということを説明して、(これからも)出していこうかなと思います。

■アドベンチャーワールドでは「今後とも中国側と協議」
パンダのまちにとって大きな節目となる今回の返還。新たなパンダが来る予定は今のところない。
アドベンチャーワールド 今津孝二園長:これまでの30年間培ってきた、ノウハウを私どもは持っていますし、知識とか経験を中国と協力しながら、ジャイアントパンダの保護に生かしていきたいと思います。

アドベンチャーワールド 今津孝二園長:次のステップに、ぜひつなげられるように、今後とも中国側と協議を進めてまいります。
アドベンチャーワールドでは、パンダの貸し出しが実現するならば飼育したいとして、協議を続けているということだ。

上野動物園で飼育されている3歳の双子パンダ「シャオシャオ」と「レイレイ」の2頭も、来年2月20日に返還期限を迎えます。今後日本は『ゼロパンダ』になってしまうのでしょうか。

■人口約2万人に対し、観光客が年間295万人の白浜町
パンダがいなくなる地元・白浜町の経済的な損失は少なからず考えられる。
関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:パンダ好きな方の中ではうわさされていたかもしれませんが、白浜町の町長に聞くと『寝耳に水』だったそうで、全然知らされていなかったと驚いたそうです。

関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:白浜町にアドベンチャーワールドがありますが、人口約2万人に対して、観光客が年間295万人いるんです。白良浜とか、白浜温泉もありますけれど、やはり多くの方はパンダを見に来られている。だからパンダ推しで、本当に大きな観光資源だっただけに、今かなりショックを受けています。
関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:もともとパンダの次の観光資源を探さなきゃいけないという事情はありましたが、コロナで落ち込んだのが上がってきたところでした。それを『今後どうしてくれるんだ』という声があがっているようです。

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年4月28日放送)