アスリートのセカンドキャリアを応援する夢と仕事の二刀流とは。

愛知・名古屋市を拠点に活動するバレーボールチーム「Viore NAGOYA」。

4月から実業団チームへ登録し、将来は国内トップリーグSVリーグへの昇格を目指しています。

最大の特徴は、所属選手の多くが保育士であるということ。

バレーボール選手として活躍しながら、保育士としてのキャリアも積み上げられる。

保育士、そしてアスリートの価値を相乗的に高める保育園の働き方改革とは。

名古屋市の社会福祉法人が運営する「わたつみ保育園」。

そこで新しい保育の形を目指して始めたのが、“アスリート保育士”という働き方です。

アスリート保育士として働く長谷川心優さん(21)。

この園に就職した理由は、強豪校で培ってきたバレーボールのキャリアを生かしたいという思いでした。

“アスリート保育士”・長谷川心優さん:
家が近い保育園を実習先にしようと思っていたが、SNSで「ビオーレ名古屋」を見つけて、ずっとバレーボールをやってきたんだから、社会人になっても自分の好きなことだから続けたいなと。

「仕事もバレーも続けたい」というアスリートの本音。

その声をヒントに、3年前、園を運営する社会福祉法人のグループ会社がバレーボールチームを設立。

働きながらアスリートを続けられる環境を整えました。

(福)栄寿福祉会・ビオーレ名古屋 広報 内藤康一さん:
一番は「セカンドキャリア(問題)」。アスリートがバレーボールをやめたあとでも、しっかりとキャリアを積めているのが一番。もうひとつは自分がやりたいスポーツと自分がやりたい仕事が2つ一緒にかなえられる。

現在、選手と兼任して働くのは6人。

取り組みを知って教員免許や児童指導員、保育士資格を持つ人材が全国から集まりました。

仕事はフルタイムで、選手だからという甘えは一切ありません。

仕事とバレーを両立して1年。

長谷川さんは、この働き方が意識を高く持つことにつながっているといいます。

“アスリート保育士”・長谷川心優さん:
「社会人は忙しいからバレーをする時間がない」みたいな友人はいるので、バレーができているのがうれしいというか、ありがたいなと思う。どちらもおろそかにしたくないので、どちらも全力でやりたい。

保育士、そしてアスリートのブランド価値を高める上でもう1つ大切にしているのがビオーレのインスタグラム。
フォロワーは6万4000人を超えます。

選手、そして保育士としての充実した毎日を知ってもらうことが狙いです。

SNSで共感し求人に年間40件近くの応募があるなど、なり手不足解消というメリットも生まれています。

(福)栄寿福祉会・ビオーレ名古屋 広報 内藤康一さん:
保育業界だと“子どもたちにいい保育をしよう”“子どもたちに優しくしよう”というのが当たり前にあって、うちも理念としてあるが、「大人が働きやすい環境」を整える、そうするとその大人たちと関わった子どもたちもすくすく育つ、という考え方。