特集は、年度末・年度初めの「リユースショップ」です。新生活に向け、この時期は多くの人が訪れますが、最近は物価高で、さらに需要が高まっています。長野市の大型店に密着しました。

■新生活に向け家具を持ち込み

3月、長野市のリユースショップ「セカンドストリート 川中島店」。

店に並ぶのはテレビに洗濯機、洋服、楽器など。

中古品を格安で販売している他、不要になった物の買い取りを行っています。

大きなローテーブルを持ち込んだのは大阪出身の古匠正樹さん(24)。

古匠正樹さん:
「引っ越しで。(テーブルは)2~3年くらい使った」

長野市内の建設会社に勤めていましたが、4月から新潟の会社に転職。ローテーブルはもう使わないため少しでも新生活の足しになればと買い取りに出しました。

ブランドや年式、状態などを確認し市場価格も参考にしながら査定。

査定額は1500円でした。

古匠さん:
「タダでもよかったので、売れただけよかったです。(新生活は)不安もありますが、楽しみなことが多いかなと思います」

■「すごい」26点で1万円以上に

年度末、年度初めは「新生活」のため特ににぎわいます。

赤座立哉さん(40):
「捨てるのも簡単ですけど、多少なりとも売れるのであればお得かなと」

新年度に向けて自宅の片づけをしていらなくなった調理家電や洋服26点を売りに来ました。

スタッフ:
「お見積もりが全部で26点で、1万431円になります」

赤座さん:
「すごいな。全然多いと思いました。全部で1000円くらいかなって」


■フィギュアを売って家電購入を検討

ドライヤーを買うか悩んでいる男性がいました。スマホで何かを確認しています。

元村駿佑さん(20):
「元の物(新品)が、例えばこれは3~4万円くらいするんですけど、中古だとどれくらいなのか。これは半額くらいだったので、買うか買わないかネットを見て考えています」

長野市の元村駿佑さん(20)。東京で就職が決まり、4月から「初めての一人暮らし」です。この日は電化製品を探しに訪れました。


一方、「新生活」のために買い取りに出したものもあります。

元村駿佑さん:
「自分、昔オタクの物が多かったので、フィギュアとかを売りに。(一人暮らしには持っていかない?)ここで全部スパンとやめるようにしちゃった」

スタッフ:
「お見積もり今回4点で合計こちらの金額になります」

査定額は1250円に。

元村さん:
「すごい、こんなになるんですか。いろいろ思い出はありましたけど、誰かが使ってくれて、飾ってくれたらうれしい。環境が180度変わるので、今後どうなるのかという心配もありますが、親にも、こういう成長ができたと自信をもって言えるような人間になりたい」

■物価高でニーズ高まるリユース品

要らなくなったものを少しでも売りたい。そして、割安なリユース品を買いたいというニーズは年々高まっています。

「リユース経済新聞」によりますと、2023年の市場規模は3兆1227億円。2009年以降、14年連続で拡大を続けています。

セカンドストリートを運営するGEOも2023年度のリユース部門の売り上げは1700億円余りで2018年度の3倍以上になっています。

長野市のこの店でも買い取りの持ち込みは1日2000点を超える日もあるということです。


■おもちゃを持ち込み

長野市の川村美穂さん(32)。動物の人形のおもちゃなど89点を持ち込みました。

川村美穂さん:
「おもちゃが多いんです、娘がもう使わなくなったので」

おもちゃは8歳の長女・陽夏花(ひまわり)さんが長年遊んできたもの。最近は1歳の弟・八雲(やくも)くんと一緒に使っていたそうですが、手放すことにしたそうです。

川村さん:
「一人で二役やって遊んだりしていたから、懐かしいなとは思いますけど、飽き性すぎて、どんどん(おもちゃが)たまっていくだけだから、だったら売っちゃおうってなって」

査定結果は―  

スタッフ:
「4974円です」

川村さん:
「すごくありがたい、一番良かったかも今までで。(次の人にも)楽しく、娘の時みたいに二役で遊んでもらえればと思います」

■挑戦したい!楽器を見て回る男性も

ギターの音色を確かめる上田均さん60歳。弦を探しに来ました。ビートルズに憧れてギターを始めたという上田さん。還暦を迎え新たな楽器にも挑戦しようと考えています。

上田さん:
「トランペットとかやりたいなと思って、やったことないから」

トランペットを見て回りました。

上田さん:
「ヤマハだと15~16万しますね、これが中古で、かなり古いモデルだと思うんで、1万9900円になっていますね。お買い得だと思いますよ、ヤマハ製だから修理できるし。昔やりたいなと思った楽器がいっぱいあったので、やれるときにやっておこうと」

思い出の詰まった品物が、新たな所有者の元で新たな思い出をつくっていってもらえたら。

この日は約1400点が持ち込まれました。

■カップルは掘り出し物に遭遇

午後7時、家電を探す2人に出会いました。

横瀬さん:
「同棲するので、その家具・家電を見に来ました」

交際を始めて1年。4月から部屋を借りて一緒に暮らすということです。新生活で使うテレビを探していましたが。

横瀬さん:
「この台は1500円」

小林さん:
「え!安くない?これだけ欲しいな」

「テレビ台」の掘り出し物を見つけました。

小林さん:
「お買い上げです。(新品なら)5000円くらいしますよね。こういう掘り出し物があるから結構見に来ます」


新生活を思い描いてー。

横瀬さん:
「(どんな生活になりそう?)当たり前だけど、毎日家事します」

小林さん:
「どういうこと?(笑)宣言ということか。『手伝い』ではなく率先してやっていただく感じで」

新生活へ、新たな挑戦へ。

年度末、年度初めは多くの人が希望や期待を持ってリユースショップを訪れています。

長野放送
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