“うまい、安い、早い”のキャッチコピーで有名な大手牛丼チェーン「吉野家」。
学生やサラリーマンのランチの味方ですよね。

しかし7日、衝撃のニュースが飛び込んできました。

8日のテーマは「値上げは『大盛り』以上 吉野家の戦略は」ソレってどうなの?です。

7日、吉野家は10日午後2時から、牛丼大盛などの商品を10円から70円値上げすると発表しました。

値上げまで、あと2日。
東京都内の吉野家を東中健キャスターが取材すると、お昼時ということもあって吉野家の前には列ができていました。

では、何がどれだけ値上げされるのか詳しく見ていきましょう。

牛丼・大盛は696円から740円(店内飲食・税込み)に、牛丼・特盛は872円から938円(店内飲食・税込み)と1000円の大台が見えるところまで引き上げられます。

お店を訪れていたお客さんに「あさってから値上げ知ってましたか?」と話を聞きました。

客(30代):
そうなんですか?知らなかったです、ちょっとびっくりです。行く頻度が変わるかもしれない。(値上げ前の)明日も行こうかなという気持ちになる。

客(60代):
上げ幅は知らないが、そういう話自体は聞いている。苦しいけどよそに行けばもっと高い。そう思うと何を注文するかで調整。例えば大盛りを並にするというような形で調整するしかないのかな。今そんな気持ちでいます。

客:
仕方ないけれど、できれば今の価格で少し質を落としてでも、量も落とした形で、なんとか現行価格と現状のボリュームと同じように(してほしい)。

値上げの理由は、米や原材料の高騰。

さらに、物流費や人件費の上昇が長期化していることが影響しているということなんです。

その米の価格なんですが、農水省によると3月24日からの1週間にスーパーで販売された米5kgあたりの平均価格は4206円です。

前の週と比べて10円値上がりしまして、13週連続で過去最高値を更新している状況なんです。

そもそも吉野家の牛丼・並盛の価格、2013年には280円だったんですね。

今から考えると夢のような金額なんですが、その後徐々に値上げを行いまして、4年前に400円を突破しました。

そして2024年、500円が目前に迫る498円に。
過去13年間で200円以上アップしたことになるわけです。

一方、今回、吉野家は価格を据え置く商品も残しているんです。

それが、牛丼や豚丼の「並盛」と「小盛」です。

では、なぜ変えなかったのでしょうか。

吉野家に理由を尋ねると「多くのお客さまからご注文を多くいただいている牛丼・豚丼の並盛・小盛には、これまでと変わらない価格で商品を提供できるように努めました」と返ってきました。

並盛の価格を据え置いた吉野家の狙いを、経済の専門家・永濱利廣さんに聞きました。

第一生命経済研究所・永濱利廣首席エコノミスト:
並盛を値上げすると500円を超えてくることになる。消費者心理としてはワンコインで食べられるかそうじゃないかで、かなり消費者心理が変わる。できるだけワンコインで食べられるメニューは値上げしない形。ワンコイン以上の値段のメニューは値上げをすることで、値上げをしながらも客数を減らさない戦略。

物価の象徴でもある「牛丼」。
止まらない物価高の中ですが、どうかいつまでもランチの味方であり続けてくれることを期待したいと思います。

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「経済部」は、「日本や世界の経済」を、多角的にウォッチする部。「生活者の目線」を忘れずに、政府の経済政策や企業の活動、株価や為替の動きなどを継続的に定点観測し、時に深堀りすることで、日本社会の「今」を「経済の視点」から浮き彫りにしていく役割を担っている。
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