トランプ大統領が発表した相互関税に、各国からは猛反発。
関税の報復合戦になれば、勝者なき貿易戦争に発展しかねません。
“トランプ関税”に世界はどう向き合うべきか、今、問われています。
3日午後2時前、記者団の取材に応じた石破首相。
石破茂首相:
このような措置が実施されたことは極めて残念であり不本意だ。
「極めて残念」と話したのは、アメリカのトランプ大統領が発表した相互関税についてです。
トランプ大統領:
日本は46%の関税を我々に課し、自動車のような特定の品目はもっと高い。日本に24%の関税を課す。
「日本は実質46%の関税をアメリカに課している」と主張し、今後、24%の関税を課すと発表しました。
石破茂首相:
今後もアメリカに対しては措置の見直しを強く求めていく。
今回のトランプ相互関税。
全ての貿易相手国や地域を対象に一律で10%の関税を課したうえで、相手の関税率などに応じて税率が上乗せされます。
海外各地からは早速、猛反発の声が。
税率20% EU・フォンデアライエン委員長:
トランプ大統領がEUを含む全世界に関税をかける発表をしたことは、世界経済に大きな打撃を与えるもの。
税率10% オーストラリア・アルバニージー首相:
はっきりさせておきたいのは、この関税は全く不当なものです。
税率34% 中国・外務省報道官:
中国は相互関税に断固反対し、必要な措置をとり、中国の正当な権利を断固守る。
日本でも24%の関税率は想定を上回る高い数字と受け止められ、経済悪化への懸念が急速に広がり、日経平均株価の値下がり幅は一時1600円を超え、2025年最大の下げ幅を更新しました。
経産省幹部からも「単純すぎる関税のかけ方だよ。驚いた…」という意見が。
江藤農林水産相は、トランプ氏が「米に700%の関税を課している」と発言したことについて「理解不能だ」と反論しました。
江藤拓農水相:
700(%)は論理的に計算してもそういう数字は出てこない。これについては、なかなか理解不能だというところ。
FNNが訪ねたのは、福岡・大刀洗町の酒蔵「三井の寿」。
アメリカで人気の日本酒ですが、関税の大幅引き上げに、みいの寿の井上宰継社長は「そりゃ痛いですよね、パーセント的には。こっち(日本)で3000円くらいのものが、向こう(アメリカ)で1万円になったりしてるのがもっと高くなったりするわけでしょうし、それが一番ちょっと心配」と話しました。
街でも、「日本(企業)の利益が減ってしまう。生活全般、いろんなものに影響出ますね」「少なからず絶対私たちに何か影響あるんだなっていう恐怖とか不安感とか、日本に相当、家庭に打撃がくるんじゃないかな」など、景気悪化への不安が広がっていました。
3日から自動車への25%の追加関税が発動するなど、新たな局面を迎えたトランプ関税。
第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは「(Q.相互関税の受け止めは?)思った以上に厳しい対応だなと。年末くらいには日本が景気後退局面に入る可能性が結構高まっている」と指摘しました。