1月13日の成人の日を前に、長野県各地で二十歳の門出を祝う集いが開かれた。しかし、長野県は深刻な人口減少に直面しており、2024年2月には50年ぶりに人口が200万人を割り込んだ。県は今年、人口減少対策として若い世代や女性が暮らしやすい社会をつくることを大きな目標に掲げている。若者に選ばれる長野とは?二十歳に本音を聞いた。

「家族に愛をいっぱい伝えたい」

1月12日、長野市芸術館で行われた二十歳の門出を祝う集いには約700人が参加した。参加者の一人は「家族に愛をいっぱい伝えたい」と抱負を語った。

しかし、県内では人口減少により成人式の対象者は年々減少している。

長野県の人口推移
長野県の人口推移
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2024年2月、県の人口は50年ぶりに200万人を割り込み、12月1日時点で198万5000人余りに。このままいくと2050年には158万人台となると推計されている。

「人口減少対策に本格的に取り組む」

阿部守一知事は1月6日、「人口減少対策に本格的に取り組む、具体化していく年にしていきたい」と述べ、今年の大きな目標として人口減少対策を掲げた。

特に若い世代や女性が暮らしやすい、働きやすい社会を目指すとしている。

「給料、賃金が上がったらいいかな」

人口減少の要因の一つとされる「大都市圏への流出」について、二十歳の若者たちに話を聞いた。

大阪の専門学校に進学した男性は「今いるところでそのまま(就職)という形で考えている。(長野も)給料、賃金が上がったらいいかな」と語った。

二十歳の門出を祝う集い(長野市)
二十歳の門出を祝う集い(長野市)

一方、埼玉の大学に進学する女性は「就職は長野に戻らず、せっかく県外に出たのでそのまま視野を広げたい。都会の方が、いろいろな就職先が多いのかな」と話した。

「もっと遊ぶところがほしい」

京都の大学に進学する男性は「できたら京都にいたいと考えていて、もう少し遊ぶところがほしい。長野で遊ぶとなるとカラオケやボーリング、いろんなアトラクションがあったら若い世代も暮らしやすいのかな」と話す。

「長野に帰ってきたい」

一方で、地元志向の若者もいる。埼玉の大学に進学する女性は「長野に帰ってきたい。住みやすくて、地元が好きなので。もっと観光客で活発な街になったら」と希望を語った。

東京の大学に進学する女性も「選択肢の一つとして(長野を)考えていて、でも、まだ検討段階。モノは都市部の方があると思うが、今は通販あるので必要ないですし、住みやすさや、もっといろいろな観光資源があるよと広めてほしい」と話した。

二十歳の門出を祝う集い(長野市)
二十歳の門出を祝う集い(長野市)

若者に選ばれる長野県を目指し、県の対策が本格化する。

地元で就職したいと考える若者も多くいる中、彼らの声を反映した街づくりが求められている。

(長野放送)

長野放送
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