捜査関係者から「じいさんず」と呼ばれた3人組の窃盗団のうち、88歳と71歳の男の裁判が札幌地裁で始まった。
高齢窃盗団「じいさんず」の手口は?

捜査員に支えられながら車に乗り込む男。海野秀男被告(88)だ。
起訴状などによると海野被告は、松田秀美被告(71)と共謀して北海道江別市内の空き家に忍び込み、ウイスキーなどを盗んだとして海野被告が常習累犯窃盗、松田被告が窃盗などの罪に問われている。
9月10日、札幌地裁で開かれた初公判。
海野被告は起訴内容を認めた一方、松田被告は「盗みをする目的で運転したが、邸宅侵入と盗みはしていない」などと主張した。

検察によると2人は別の事件で服役していた刑務所で顔見知りとなり、出所祝いを開くほどの仲に。
そして再び事件を起こす流れになったのは、海野被告のこんな一言だったとみられている。
「車を出してくれないか」海野被告の一言がきっかけで事件に加担

「(窃盗をするので)車を出してくれないか」(海野被告 検察側の調書より)
検察によるとこれをきっかけに海野被告が実行役、松田被告が運転手として空き巣をするようになったとみられている。
検察が提出した証拠からはその手口も明らかになった。
「家と家が空いているところを選んで…」
「家と家が空いているところを選んでいます。窓ガラスを割る音が聞こえないようにするため。窓ガラスを叩いて割った後すぐに侵入するのではなく2、3分くらい窓から離れて様子を見ます」(海野被告 検察側の調書より)
検察は、2人がほかでも空き巣を繰り返していたとして、今後、追起訴する方針だ。