蚊刺過敏症
「デング熱が確認されたというニュースもないのに、蚊に刺されると必ず高熱が出るという人は、非常にまれですが“蚊刺過敏症”の可能性があります」
白井さんが当事者から聞いた話では、高熱のほかにも、以下のような症状があるとのこと。
・刺された場所が異常に腫れあがって水ぶくれになる
・喘息の発作が出る
・じんましん
・鼻水が出るなど
蚊刺過敏症は「平たく言えば、免疫の異常による病気」だと白井さんは話す。
「健康な人も90%かかっている『EBウイルス』というウイルスが、免疫細胞であるNK細胞に感染すると蚊刺過敏症と診断されます」
受診の目安については、「蚊に刺されると毎回38℃程度の高熱が出るようならば内科か皮膚科の受診を」と勧める。
「ただし、症例が少ないため、詳しい医療機関も少ないのが現状。治療するにはステロイドや抗がん剤の免疫化学療法などがありますが、完治するのは難しいと言われています。一番有効なのは蚊に刺されないようにすること。実際に蚊刺過敏症の方に話を聞いたところ、徹底的に対策をしているそうです」
誰にでも経験がある蚊による虫刺されだが、思いもよらぬ症状に発展してしまうことがあるようだ。もし受診の目安に当てはまっていたら医療機関で医師に相談してみてほしい。
■9~10月は蚊が活発化…いつの間にか家屋に入り込む蚊に注意
蚊は昼と夜で種類が違った!夜耳元で「ぷ~ん」とうるさい蚊は9月が要注意!対策を聞いた

白井 良和(しらい・よしかず)
害虫防除技術研究所代表、有限会社モストップ取締役、医学博士。30年以上にわたり蚊を研究。1994年京都大学農学部農林生物学科卒業。1996年京都大学大学院農学研究科修了。殺虫剤メーカー研究員を経て、2001年富山医科薬科大学大学院医学系研究科博士後期課程修了。害虫駆除会社にて駆除業務を行った後、2003年、蚊駆除業務を柱に有限会社モストップを創業。現在では、蚊忌避剤や蚊捕獲器の効果確認試験を主な業務とし、書籍の出版、YouTube動画投稿等も行っている。

