政党の体を成していない民進党

民進党の山尾議員が離党した。30年超の政治取材の中で、幹事長内定者が即離党というのは初めてのこと。驚いた。
政党の体をなしていないというか、そのレベルにも達しない話。
笑うしかない。

では、男女関係がないのに何故離党するのか。
これには理由がある。
残留すれば次の国会で自民党にボコボコにされ追及できない。

一方で、議員辞職すればその議席を補選で自民党に奪われてしまう。
いずれにしても民進党にとっては損。
離党するしかなかったのだ。
小手先のごまかしだ。

自民党の豊田真由子議員も全く同じパターン。
自民党は他党のことを批判はできない。

補選はボロボロ 党はバラバラ

不倫の話はさておき、山尾議員の離党は、民進党にとって千載一遇のチャンスだ。
少なくとも代表選よりは「ニュース」だ。

民進党はこれでボロボロになるだろう。
トリプル補選は三連敗するかもしれない。
政党支持率は共産や公明を下回るかもしれない。
離党者が相次ぎ、民進党が崩壊して、分裂して、消滅してしまうことも考えられる。

この事態を千載一遇のチャンスに変えるには、一度地獄をみなくては。”底”まで行けば、新しい道も見えてくる。
それくらい深刻な状況であることを認識すべき。
 

自民が嫌がる”政界再編”も

民進党の崩壊で、自然に政界再編が起こる。
小池都知事や橋下徹氏と組むチャンスだ。

自民党は、民進党保守派と小池都知事、橋下氏の三者が組むのを一番恐れている。
安倍総理は補選後に早目に解散するかもしれない。
政界再編は自民にとっては嫌な展開なのだ。
今のまま民進党が小さくまとまっているのが自民党にとっては一番都合が良いのだから、その逆を張ればよい。

図らずも今回の山尾問題で、有権者や党員が愛想をつかして民進党が消滅すれば、政界再編が起きて自民党をやっつけられるかもしれない。
くれぐれも民進党内で一致団結とかしないように。
 

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。