全国的に書店の減少に歯止めがかからない中、これまで9年間「書店ゼロ」だった立山町に4月26日あるユニークな方法で、「本屋さん」が誕生しました。

*リポート
「あったあった…巷で大人気のタイトル…。一見書店のようですが、実はここコンビニ。そうと思えない品揃えです」

4月26日朝、立山町にオープンした1件のコンビニエンスストア。
オープンして間もなくレジはご覧の大行列で、ひっきりなしに人がやってきます。
駐車場には、次々に車が…。

実はここ、町役場の敷地内。
街の本屋さんが閉店した9年前から「書店ゼロ」だった町が「書店併設型」のコンビニを誘致したのです。

*来店した客
「子どもに(本を買った)。本屋さん出来てうれしい。本をたくさん読むので助かる」
「富山市内も本屋さんなくなった。なかなか行けなくて」

町の中心部は、近年スーパーも閉店。
惣菜や菓子も充実した品揃えは、高齢者への買い物支援としても機能します。

ローソンが展開する「マチの本屋さん」は全国11店目ですが、行政が誘致して出店するのは初めて。
仕掛けたのは、自身も本が大好きだという立山町役場企画政策課の中川さんです。
きっかけは、書店が閉店した9年前以降、子どもたちから町長に寄せられた「手紙」でした。

*立山町企画政策課 中川大輔課長補佐
「(町に住む)子どもから本屋さんがほしいという手紙を何通ももらった」

町の要望で、児童書コーナーも設置されました。

*立山町企画政策課 中川大輔課長補佐
「子どもたちが本と出会うのがコンセプト。町の子どもたちに来てほしい」

事業の継続性を重視し、24時間営業ではないのもポイント。
また、コンビニは通常鉄骨造ですがここは木造。
県産のタテヤマスギを使用し、本の読み聞かせなども行いたいとしています。
行政が、民間と地域の課題を改善する先進事例となりそうです。

富山テレビ
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