TSKとJALのコラボ企画。今回の担当は、客室乗務員でJALふるさと応援隊の田邊菜穂さんです。
今回は今が旬の安来のイチゴについて取材。農家の高齢化で年々出荷量が減少する中、安来のイチゴブランドを守ろうと奮闘する農家の姿を追いました。

人口約4万人の安来市。安来市の特産といえば、今がまさに旬、真っ赤に色づいたイチゴ。さっそく農家を訪ねました。

JAL・田邊菜穂さん
「こんにちは。きょうはよろしくお願いします」

高見いちご縁・高見謙一さん
「こんにちは」

出迎えてくれたのは、イチゴ農家の高見謙一さん(56)。10年ほど前から栽培しています。

JAL・田邊菜穂さん
「イチゴが真っ赤に色づいていますね。おいしそうです。このイチゴは何という品種なんですか?」

高見いちご縁・高見謙一さん
「これはあきひめという品種です。ちょっと食べてみますか?」

JAL・田邊菜穂さん
「うわ~、すごく大きいです。すごく甘いです。すごく香りもいいです」

高見さんの農園では、8棟のハウス約30アールであきひめと紅ほっぺの2種類を栽培しています。あきひめは、甘くて酸味が少なくスラっと細長い形。一方、紅ほっぺは甘みと酸味のバランスがよく、逆三角形の形をしています。

高見いちご縁・高見謙一さん
「ぜひ、食べ比べしてみませんか」

JAL・田邊菜穂さん
「フルーティーな香りがします」

安来市は、昼と夜の寒暖差が大きく冬の日照時間も短いため、イチゴがゆっくりと時間をかけて熟成することからイチゴ栽培に適しています。

JAL・田邊菜穂さん
「高見さんはなぜイチゴ農家を始めたのでしょうか?」

高見いちご縁・高見謙一さん
「もともと両親が50年前からいちご農家をしていまして、やめるかもしれないという話もあったので、子どもも農業に興味があったのでやってみようかなと思って帰ってきました」

高見さんは、46歳でふるさとにUターンし家業を継ぎました。

高見いちご縁・高見謙一さん
「(農家の)高齢化が進んでいまして生産者の数も減ってきている。安来のイチゴのブランドを守るということも必要だと思っていて、色々なイベントをやったりしながら安来のイチゴが盛り上がっていけるように頑張っていきたい」

JAによると、イチゴの作付面積は2009年の約7.6ヘクタールをピークに減少を続けていましたが、地元農家とJA、行政による新規就農者支援が実を結び、ここ数年は回復傾向です。

安来市農林振興課・山田晃弘さん
「ショートのマンツーマンでの研修と、実際にハウスを借りての実践研修によって、これから就農する方が必要な知識や技術を身に着けられるような仕組みづくりを行っています」

こうしたサポートを受け就農した人も…。池田佳奈(41)さんは、6年前大阪からIターンしてきました。

JAL・田邊菜穂さん
「池田さんはもとも農業の経験があったのですか?」

池田佳奈さん
「ちょっと家庭菜園に興味があるくらいでした。(移住にあたり)何か仕事ありますか?って紹介してもらおうと市に行ったら、イチゴどうですか?といわれて見に行った圃場で食べたイチゴがすごくおいしくて。買って食べていたイチゴとは全然違って作ってみたいと思った」

2年の研修を経て、独立。今はあきひめと紅ほっぺを栽培しています。さらに、大きなイチゴが描かれた建物。池田さんが経営するカフェ『苺やKirito』です。

池田佳奈さん
「ちょっと熟れすぎたイチゴとか、収穫の時に手が当たってしまったイチゴとかは普通の品質としては出荷できないので、そういうイチゴを使って何かできないかなという風に思い立ったのが発端です」

市の起業者向けの助成金を活用し、自宅の古いトラクター小屋をリフォーム。4年前にオープンさせました。

池田佳奈さん
「なぜこんな所といわれる場所なんですけど、そういうところでイチゴを作っているところにお客さんが足を踏み入れてもらって、見渡す限りビニールハウスみたいなところでイチゴカフェするのもいいかなと思って」

安来市のイチゴ農家は現在68軒。ブランド力を高め、地域活性化に繋げるため官民一体となった取り組みが実を結んでいます。

JAL・田邊菜穂さん
「甘みと酸味のバランスが良いイチゴでした。安来イチゴの美味しさが全国に知れ渡ると嬉しいです」

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

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