志布志市の下平晴行市長は22日、緊急会見を開き、ふるさと納税の返礼品で県内産の黒毛和牛、黒豚、としていた31点が、他県のものだったと明らかにしました。

国の通知に基づく志布志市による調査で、宮崎の業者による約7年にわたる産地偽装が明らかになりました。

市では、対象の寄付者すべてに対し、代替の返礼品を送るとしています。

志布志市・下平晴行市長
「深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした」

志布志市の下平市長は22日、記者会見を開き、2017年5月から2024年1月にかけて発送した、志布志市のふるさと納税の返礼品のうち、鹿児島県産の黒豚や黒毛和牛が含まれるセット31点について、実際は他県産だったと明らかにしました。

3月に行った国の通知に基づく市の調査で、返礼品を提供していた志布志市の「蓬の郷」の仕入れ先である宮崎・都城市の食品加工卸業者、谷川食品による産地偽装が発覚しました。

谷川食品は市の聞き取りに「黒豚は価格が合わなかった。黒毛和牛は、鹿児島県産自体を取り扱っていなかった」と産地偽装を認めているということです。

発送したのは501人、563件分で、寄付総額は2434万7000円にのぼります。

志布志市・下平晴行市長
「基本的には『県産のものである』と事業者が偽っていたので分からなかった。考え方としては絶対あってはならないこと」

志布志市では、寄付した501人にメールでおわび文を送り、5月中をめどに代替品を発送することにしています。

また、偽装したとされる谷川食品については九州農政局に通報し、「蓬の郷」は返礼品の受け付けを停止しています。

志布志市の2022年度のふるさと納税額は62億1900万円で、県内1位、全国15位ということで、志布志市は全国的にも知名度の高い寄付先といえます。

今回は市の調査で発覚したのですが、なぜ調査したかというと、2023年12月、国から返礼品の食品表示について適正かどうか調査する旨の通知があり、調査した結果、偽装が判明したということです。

産地偽装の商品が発送されたのは約7年間で、寄付した人を裏切る行為となりました。

鹿児島テレビ
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