日本橋・高島屋で開催中の「大黄金展」で11日、24金製の抹茶茶わんが盗まれる事件が発生した。過去には長野県で純金製の花立てが盗まれており、2年連続で盗難事件が起きている。金が狙われる背景には、金の価格上昇があった。

1000万超の茶碗盗まれる 過去に同様の盗難も

11日、日本橋高島屋で開催中の「大黄金展」の会場から、純金製の抹茶茶わんが盗まれた。

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今回狙われた金の茶碗は24金の抹茶茶碗で、販売価格は1040万6000円(税込み)。金の重さは380g、缶ビール1本分くらいの重さのものだった。

大胆な犯行とも思えるが、大黄金展を巡っては、2023年も長野県の東急百貨店で383万円の純金製「花立て」が盗まれるなど、金が狙われる事件が2年連続で起きていた。

金が狙われる背景の一つに金の価値上昇がある。

12日、国内の金の販売価格の代表的な指標・田中貴金属工業の販売小売価格は、1g当たり12,931 円となり過去最高値となった。
過去5年間の小売価格を見ても、金の価格は上がり続けていて、5年前は1g約4600円だったのが3倍近くまで価格が上昇していることになる。

「有事の金」安定した資産として人気

金が狙われるもうひとつの背景に、金の安定した価値がある。

フジテレビ・智田解説副委員長によると、現金と株は金融資産と呼ばれ、景気に大きく左右されて変動し、現金もインフレに弱いという点がある。

一方で、金や土地は実物資産と呼ばれ、価格の変動性が小さく、インフレに強い。
だが、土地は取引コストが高いという一面もある。
そうした中で、金は比較的安定した資産として人気があり、現在の高値につながっていると言える。

「有事の金」とも呼ばれ、価値が上がれば盗まれる可能性もおのずと上がると考えられる。
(「イット!」 4月12日放送より)

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