医療費の窓口負担について、「高齢者も原則3割負担にすべき」と主張する日本維新の会が、国会質問で政府に対し、制度の見直しを求めた。
2日の参院厚労委で、維新の猪瀬直樹参院議員(77)が、武見厚労相(72)に対し質問した。
猪瀬氏は「高齢者医療制度における窓口負担を、現役世代と同じ3割にすることを提言している」との維新の方針を示し、武見厚労相に見解を質した。
武見厚労相は、「所得が低く、医療費が高くなる後期高齢者にとって、間違いなく負担増になる。必要な受診が抑制される恐れがあり、『一律3割』には慎重な考えを持っている」と答弁した。
また猪瀬氏は、直近20年間の男性の就業率について、70代前半で29%から43%に、70代後半で19%から26%に増えたとの総務省の調査結果を示し、「武見さんは72歳、私は喜寿。みんな働いている。こうやって真剣な議論ができる。年齢で優遇したり冷遇したりではなく、所得や経済状況に応じた負担に切り替える時期に来ている」と主張。
武見厚労相は、「高齢者になれば基礎疾患が確実に増える」として、後期高齢者医療制度の必要性を強調しつつ、「現役世代の負担のあり方を、もう一度見直さなければならない。応能負担という観点で、再整理をしている」と説明した。
猪瀬氏はさらに、医療費の自己負担が増えることで、本来必要のない受診が減るなどの効果が期待できるとして、患者の受診行動の変化について、国費を投入して研究・分析を行うよう提案した。
これに対し、武見厚労相は「政府もやっていないわけではない。負担上昇が受診回数や健康評価にどう影響するかなど、さまざまな研究をしている。一部は、今年6月頃に報告書が出てくると聞いている。楽しみにしているところだ」と応じた。