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電子機器メーカーとして長年、産業用コンピュータやネットワーク技術で独創的な製品開発を進めてきた株式会社コンテックは、医療・介護分野にもその技術を展開しています。

調剤薬局の業務効率化と調剤過誤リスク削減を目指し、AIを搭載した調剤監査システム「audit®-i」を新たに開発しました。この開発チームの中心人物である新規事業開発Projectグループ主査の高平は、配送センターのテクノロジーを調剤薬局に応用した初期モデルの課題を解決し、より使い易くする為にAI技術の活用に着目。この記事では、技術革新がもたらす医療業界への貢献と、その開発プロセスにおける挑戦について、プロジェクトリーダー高平の視点からお話しします。


調剤薬局の負担を軽減する調剤監査システム「audit」。薬剤師本来の業務である専門知識を活かした、より質の高い患者ケアの提供が可能に

調剤薬局での調剤過誤は、患者さんの健康を脅かす深刻な問題です。特に高齢化が進む中、種類が増え続ける薬を精確に処方することの重要性が増しています。この課題に対し、当社の培ったテクノロジーで貢献する方法を模索しました。調剤監査システム「audit」の開発により、調剤薬局の調剤過誤発生率を大幅に低減し、患者さんの安全と健康を守ることが可能になりました。「audit」は、バーコード、画像、重量情報を用いて薬の種類と数量を精確に識別し、調剤過誤のリスクを最小限に抑えます。このシステムの導入により、薬剤師は調剤過誤の不安から解放され、より質の高い患者ケアに集中できるようになりました。また、薬剤師の負担を軽減し、彼らが本来の業務である専門知識を活かした患者さん一人ひとりに向き合う時間を増やすことができます。患者さんと薬剤師の双方にとって安心できる調剤環境をauditの技術が支えています。

調剤薬局向けに特化した画像照合技術を採用し、調剤過誤のリスク低減を実現

10年前、「audit」の初期モデル開発段階では、調剤薬局における調剤過誤の問題をテクノロジーで解決するという大きな目標のもと、物流センターの高精度なピッキングシステムに注目。当時の調剤薬局のミス発生率が0.25%に対して、物流センターでは0.0001%という圧倒的な精度差があり、仕組みの応用を考えたのです。物流センターで効果を発揮していたリストピッキング、目視確認、そしてハンディーターミナルを活用した支援技術を、調剤薬局の環境に合わせて適用することに挑戦しました。

開発チームは、調剤薬局向けに特化したシステムとして、画像照合技術の採用を決定しました。この段階ではまだAI技術は導入されておらず、画像照合技術が採用されていました。撮影された薬剤の画像をデータベース内の画像と照合することで、薬剤の識別を行う方式。この手法により、たとえ薬剤師が忙しい時間でも人と機械のダブルチェックが実現し、調剤過誤のリスクを低減させることが可能になりました。画像照合を取り入れたモデルの開発を通じて、開発チームはさらなるシステムの改善を目指し、最終的にはAIを活用したより高度なバージョンへと進化させる重要な基盤を築きました。この初期モデルの開発は、さらに信頼性の高い調剤監査システムへと成長するための貴重なステップとなりました。

AI搭載の新モデル「audit®-i」開発の前に立ちはだかる、「12時間を超えるAI学習時間」の壁。開発チームの熱意の研究が始まった

画像照合を取り入れたモデルの場合、専用の撮影空間を確保するために本体の小型化が難しく、カメラや照度の調整など撮影空間を一定に保つためのメンテナンスコストといった課題がありました。そこでAI技術に着目し、新たなモデル「audit®-i」の開発に着手しました。AI技術の導入は画期的な一歩でしたが、同時に大きな挑戦も伴いました。特に、医薬品業界における頻繁な包装デザインの変更と新薬の追加時に迅速にマスタデータ登録をする必要性がありましたが、一般的なAIモデルの学習には12時間以上かかるという実情があり、これでは実用的な解決策とは言えませんでした。そこで、開発チームは実用に耐えうる応答速度、目標として薬剤の追加登録時間を3秒以内にすることを目指しました。この目標は、薬剤師が効率的に、かつ正確に業務を遂行できるようにするためのものであり、医薬品の識別とマスタデータ更新の高速化に向けた研究が、一層の熱意をもって進められました。開発チームは、薬剤師の業務負担を最小限に抑えることを最優先課題とし、技術的な挑戦に立ち向かいました。

ヒントは通販サイトの検索システム。3秒以下を実現

チームはAIの処理プロセスを徹底的に見直し、活路を見出しました。ヒントとなったのは、通販サイトでよく使用される検索システムでした。この技術を応用し、「形状」や「包装デザイン」といったAIが得意な特徴抽出に特化しました。このアプローチにより、追加学習の時間を劇的に短縮し、目標の3秒以下にまで短縮することに成功しました。さらに、クラウドシステムを通じて最新のマスタデータを全店舗が共有できるようになり、迅速なデータ更新が可能となりました。この当社独自方式のAI活用により「audit®-i」は医薬品の調剤過誤を防ぎながら包装デザインの変更や新薬の追加に迅速に対応でき、患者さんの安全と健康に大きく貢献しています。また、AIにより撮影環境の制限を緩和できたことで、本体の小型化にも成功しました。初期モデルと比較して約60%小型化を達成し、調剤室で一般的に使用される棚にも設置できるサイズを確保。従来からニーズが高かった小型化を実現し、「audit®-i」はより多くの調剤薬局で、導入できるようになりました。

医療現場に「心のケア」を。「audit®-i」に込められた想いとは

「audit®-i」は、調剤薬局の効率化だけでなく、薬剤師と患者さんとの関係をより深いものに変えることを目指しています。開発チームは、薬剤師が対物業務から解放され、対人サービスにもっと集中できるような環境を作ることにも注力しました。薬剤師が患者さん一人ひとりと向き合い、より質の高い服薬指導や健康相談を行えるようにするためです。当社は「独創的な技術と製品を通して社会に貢献する」という経営理念のもと、社会課題の解決に向けて取り組んでおります。「audit®-i」を通じて医療現場に「心のケア」をもたらしたいという共通の願いを持っており、調剤過誤リスクを減少させることだけではなく、患者さんと薬剤師の間の信頼関係を深めることにも貢献します。薬剤師は忙しい中でも患者さん一人ひとりに時間をかけ、その人の状態やニーズに応じたきめ細やかなサービスを提供できるようになります。「技術的な革新だけでなく、医療現場での『人と人との繋がり』の重要性を再確認しました。」と高平は語る。「audit®-i」は、より温かみのある医療サービスの実現を目指す私たちの想いの象徴です。

「audit®-i」導入後スタッフ同士のストレスが軽減と患者さんとの信頼関係構築に貢献

「もらったお薬が処方箋内容と違う」「数量が合わない」といった問題は、たとえ1件でも信用失墜につながり、薬剤師にとって大きなストレスとなっていました。この課題に対し、バード薬局(株式会社バードファーマシー)は、「audit®-i」へのアップグレードを決定しました。その決断の背景には、「人と機械のダブルチェック」による誤りの撲滅という確信がありました。「audit®-i」導入後、バード薬局はAI技術とバーコードシステムを活用し、調剤監査の精度と速度を大幅に向上させ、調剤過誤を極限まで減少させることができました。

導入効果は、患者さんからの信頼度向上だけでなく、スタッフ同士のストレス軽減にも寄与しました。その結果職場の雰囲気にも良い影響を与えました。また、患者さんからの問い合わせに対しても、監査履歴が画像付きで残るため、自信を持った対応が可能となり、患者さんとの信頼関係をさらに深めることができました。

「audit®-i」の導入は、薬剤師の対物業務の効率化だけでなく、対人業務の質の向上にも貢献しています。これにより、バード薬局は地域医療においてさらに重要な役割を果たすことができるようになりました。バード薬局では、「対物から対人へ」というシフトを通じて、調剤薬局が患者さんにとって更に信頼できる存在になることを目指しています。「audit®-i」は、薬剤師の業務改革を促し、患者さんとの信頼を高める機会を提供しています。


■調剤監査システム「audit-i」

URL: https://www.audit.contec.com/


■株式会社コンテック

URL: https://www.contec.com/jp


■導入事例 株式会社バードファーマシー様(バード薬局様)

URL: https://www.audit.contec.com/case-study/case37/





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