東京・新宿区の歌舞伎町。街を歩くと目につくのは、ホストクラブだろうか、男性の姿が大きく掲載された看板。

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立ち並ぶビルの壁に無数に設置されている、ホストクラブの大きな看板だ。その看板の多くが、人気ホストの顔や名前が強調されたデザインになっている。

(Q.なぜここに来た)
大阪からの観光客:
看板見てみたいなみたいな。看板とか、ホストっぽい人とか歩いているのが歌舞伎町と感じる。ちょっと憧れがあります。

観光客が看板目当てで歌舞伎町を訪れるなど、今やホストの看板巡りが“観光名物”となっている。
ところが、このホストクラブの看板に、ある問題が浮上している。

看板に違反も…現役ホスト「“ホスト看板”が一番の目標だった」

警視庁などが、歌舞伎町の屋外に設置されたホストクラブの看板を調べたところ、都の条例に違反するケースが、少なくとも数十件確認されたことが関係者への取材でわかった。

こうした看板に載ることは、現役のホストにとっては、憧れだという。

(Q.看板に載った時は?)
現役“看板ホスト”一茶輝さん:
うれしいですね。“ホスト看板”っていうのが一番の目標だったので。

自らも“看板ホスト”の1人である一茶輝さん。看板の入れ替えは年に1回ほどなので、看板に載ることは重要なことなのだという。

現役“看板ホスト”一茶輝さん:
ここに載るか載らないかで、知名度とか指名が来たりするんで、大事なことですね。

東京都によると、看板設置にあたっては、条例により「建物の壁に占める面積が一面あたり30%以下であること」などのルールが定められ、区や市への設置申請が必要としている。
しかし、必要な設置申請がなかったり、建物の壁に占める看板の面積が基準を超えていたりするなどケースが確認されたという。

警視庁がホストクラブ経営者集め説明会…看板に言及も

関係者によると、ホストクラブの看板のデザインを請け負う会社は、“大きさと派手さが求められる”と話す。

ホストクラブ等を担当する看板業者:
水商売なので、派手目には見える大型の物が多いです。僕は正規の(範囲の)ものでやっているので、(条例上)アウトなところは何カ所かはやっぱ見ててありますね。

歌舞伎町のホストクラブでは、高額な「売掛金」を巡るトラブルが相次ぐなど、“悪質ホスト問題”が深刻化。

警視庁は27日、ホストクラブ経営者らを集め、合同説明会を開催。そこでも、看板についての説明があったという。

(Q.警視庁の説明は?)
説明会参加者:
条例違反の看板だったりとか結構あるみたいなんで、自分たちで撤廃して下さいと。

一方、ホストクラブ利用者からは「看板に載りたい」として、高額な注文を迫られたとの声もあがった。

(Q.看板に載りたいと言うホストは)
20代女性:
結構多いです。合同イベントだったらしくて、NO.1になれるかもしれないから、シャンパン入れてほしいっていわれて。
(Q.値段は?)
20代女性:
100万4千円ですね。

ホストが客に「売り上げを増やして、あの看板に載りたい」などと高額な注文を煽り、支払いでトラブルにつながるケースもあるという。

こうした現状に、“看板ホスト”からも嘆きの声が聞かれた。

看板に載っている現役ホスト:
看板ってそんな簡単に載れるものではなく、何百人何千人の中で載ってる。(看板設置の)未申請とかあると、本当に頑張ってる人からしたら「えっ?」ってなっちゃいますよね。

違反が確認されたケースについては、新宿区や警視庁などが連携し、店の経営者などに対して自主的な改善を求めるなど、指導に乗り出すことにしている。
(「イット!」2月27日放送より)

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