ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、2月24日で2年が経ちました。

ウクライナ出身で岩手県北上市に住む女性が23日に岩手めんこいテレビの取材に応じ、母国と家族を案ずる気持ちを涙ながらに語りました。

北上市在住のトムシンスカ・ナターリアさん(40)が、ロシアが母国・ウクライナへの軍事侵攻を始めて2年が経った現在の心境を語りました。

ウクライナ出身 トムシンスカ・ナターリアさん
「知り合いと友達を50人以上失っている。痛みしかない。苦しくて苦しくて」

北上市で日本人の夫と2人の娘と暮らすナターリアさんが最後に母国の土を踏んだのは2017年でした。

侵攻が始まった当時はすぐにでも帰りたい気持ちがあった一方で、避難してくるウクライナ人を支えるため日本にいることを決めたと言います。

ウクライナ出身 トムシンスカ・ナターリアさん
「夫が『あなたがここに必要だ』と。通訳もしなければならないし。『こんなに離れていても力になれる』と思って」

それからナターリアさんは、洋野町に避難してきたウクライナ人家族の心のケアや生活面のサポート、また母国の現状に関心を持ってもらうための講演会も開いてきました。

そして県内で集めた募金を現地のボランティアへ送る活動も続けていて、被害が大きい地域で電力をまかなうための発電機や、子どもたちへのクリスマスプレゼントが購入されています。

母国を岩手から支えるナターリアさんがこの2年間、毎日気に掛けているのはウクライナにいる家族や友人です。

ウクライナ出身 トムシンスカ・ナターリアさん
「私のところに(逃げて)来てと言っても来ない。『ウクライナを最後まで守る』と言い、友達もママも向こうに残っている」

そして今、ナターリアさんをさらに不安にさせていることがあります。
2週間前、母・ラリーサさん(67)が原因不明の病に倒れたのです。

ウクライナ出身 トムシンスカ・ナターリアさん
「向こうに帰って母の面倒を見たい。(母は)今動けない状態。でも母は『ウクライナにいたい』と」

ロシアによる軍事侵攻は、岩手から母を思う気持ちをも阻んでいました。
悲痛な胸の内を語るナターリアさんは、最後に今望むことをこう話しました。

ウクライナ出身 トムシンスカ・ナターリアさん
「1分でも早く軍事侵攻が終わること、それが一番大きな願い。あのきれいな国を立て直したい、支援をずっと続けていきたい」

岩手めんこいテレビ
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