株式会社伊勢半が展開するメイクブランド「キスミー フェルム」は1987年に誕生し、その時々のトレンドに合わせながら変化を続け、発売から37年が経過した現在も多くの方から支持いただく、当社を代表するブランドのひとつです。
コロナ禍で販売低迷に直面した「キスミー フェルム」は2023年、それまでの50~60代のミドル~シニア向けブランドというイメージを刷新し、メイクを楽しみたいすべての人にむけたブランドへと生まれ変わりました。
その集大成として2024年3月15日に発売するのが「ミセイロルージュ」です。今回は同品の商品設計に携わった清水佳美と山﨑萌音に開発のこだわりや苦労点について聞きました。
株式会社伊勢半 開発本部 商品設計部 清水佳美
株式会社伊勢半 開発本部 商品設計部 山﨑萌音
ミドル~シニア向けブランドからイメージ刷新、メイクを楽しみたいマインドを持つすべての人へ
2020年から数年続いた新型コロナウイルスのパンデミックは、私たちにステイホームやマスク生活をもたらしました。メイクにおいても「マスクで隠れている部分のメイクはしない」といったユーザーが増え、多くのメイクブランドが販売低迷の苦難を経験しました。
特に口紅においては経済産業省の調査※によると、パンデミック前2019年の販売個数が約6,000万個に対し、パンデミックに突入した2020年は約3,000万個と半減しました。口紅やベースメイクを主力としていた「キスミー フェルム」においても販売低迷からの復活は急務でした。
※経済産業省「生産動態統計年報2020年度版」より
年代に関係なく、好みや今の自分にあった化粧品を手にすることが一般化してきた昨今、それまでのミドル~シニア向けという年齢による区分ではなく、私たちが商品を通して発信する価値に共感し、メイクやおしゃれを楽しみたいすべての人へ向けたブランドにしていこうと考え、年齢によるターゲティングを廃止しました。
商品はトレンド感がありつつもあらゆる人が使いやすいものをと考え、眉マスカラやセミマット口紅、クッションファンデなどを新たに投入。パッケージにおいても従来のような商品特長を文字で大きく訴求したものから、使い心地や品質感を情緒的に表現したデザインへと一新しました。
年代問わず手に取りやすい、商品イメージや品質感を情緒的に表現したパッケージ
江戸時代から続く紅屋をルーツに持つ会社としての矜持をもって送り出す “魅せ色”ルージュ
「キスミー フェルム」がブランドのイメージ刷新における集大成として臨む2024春夏シーズン、ブランドの完全復活をかけて打ち出す商品が「ミセイロルージュ」です。
私たち伊勢半にとってリップは、会社のルーツでもある江戸時代から続く紅屋として誇りを持つアイテムで、同ブランドにおいても過去「紅筆リキッドルージュ(現在は生産終了)」などのヒット商品が誕生しています。
キスミー フェルム ミセイロルージュ(2024年3月15日発売)
「ミセイロルージュ」は美しいツヤ感と絶妙な透け感のあるシアーな発色が魅力のリップ。当社独自のシンクロ発色処方を採用し、一人ひとりの唇本来の色と重なり合うことで自然と顔になじむ仕上がりを叶えました。さらに塗り心地にもこだわり、体温付近の温度で溶けだしオイルに変わる「メルティフィットオイル」を配合することで、とろけるような塗り心地を実現した新感触のリップです。
久しぶりにリップメイクを楽しみたいユーザーの口紅に対する悩みとして「久しぶりの本格リップメイクで口もとだけが浮いてしまっている感じがしてしっくりこない」「唇の荒れや乾燥など負担が少ないリップがほしい」といった声があります。こうした背景を受け、現在の気分やニーズを捉えた新リップの開発に至りました。
今回は商品開発の中でも“設計”と呼ばれる、商品プランナーが企画したアイデアをカタチにしていく仕事に焦点を当て、「ミセイロルージュ」の開発秘話についてさらに深堀していきます。
プランナーと研究員の橋渡し役として商品をカタチ創っていく“商品設計”視点で語る「ミセイロルージュ」開発裏話
商品設計の仕事について尋ねてみると、開発部門と研究部門の間を取り持ち、商品プランナーの希望やアイデアを研究員が具現化できるようにする橋渡し役だと話します。
清水:商品設計はプランニングされた商品を創る業務で、主に化粧品の中身や使い心地のほか色味などの仕様を、思い描く理想のものへ仕上げていくとともに、商品の付加価値や独自性を限られた条件のなかで試行錯誤しながら提案しています。
山﨑:店頭やSNSでの市場調査を通してトレンドを加味しながらブランドの方針に沿って商品の色味や質感の目標を定めたり、研究所で作る試作品に対し改良点の希望を出したりします。設計は商品開発の一部ですが、研究員との調整作業も多く原料に関する知識など専門性が必要な一面もあります。
そんな二人に「ミセイロルージュ」のこだわりについて聞いてみると、なめらかな使用感と色味を挙げました。
清水:なめらかな塗り心地の感触は「ミセイロルージュ」の訴求ポイントのひとつでもあるので、体温に近い温度で溶け出す特殊なオイル、メルティフィットオイルを配合することで、塗ったときの肌あたりにこだわりました。開発時にはアンケートを行い、実際に塗ってみてもらった中で評価が高かったものを採用しました。
山﨑:私は「ミセイロルージュ」全5色の色設計に携わりました。どんな方にも選んでいただけるようなマストバイカラーをラインナップしています。シアー発色にしたことで素の唇の色味となじみ、口もとが浮いてみえないようにこだわりました。
口紅は処方によりスティックの色と塗布した色が違ってしまう場合もあり、今回は見たままの色で発色するよう調整を重ねました。例えば「04:ヌーディシナモン」の開発段階では、他のカラーと同じ比率で顔料を配合すると塗ったときの見え方が他より薄くなってしまったので、同じような発色になるよう配合を調節しました。
さまざまなこだわりを詰め込んだ商品だけに、理想のものを作り上げるまでには苦労もあったと言います。なかでも山﨑は伊勢半に中途入社して携わった最初の商品だったということで、慣れない業務やスピード感に悪戦苦闘したそうです。
山﨑:短い期間で目標とする理想のカラーサンプルを探し出し、色味の改良にむけた調整をしなければならず苦戦した部分もありましたが、前職で口紅の処方開発に携わっていたことが助けとなり、培ってきた知識をもとにスピード感をもって開発に挑戦しました。「キスミー フェルム」のリップカテゴリー復活をかけた商品に携わることができて嬉しく思いますし、発売後のお客様の反応が楽しみです。
使用したお客様に「良い商品だ」と感じてもらえるよう、こだわりをもって商品設計を追求していきたい
設計の仕事について話を聞くなかで、商品開発の仕事として真っ先にイメージする企画・デザイン以外にも、実際にひとつの商品が世に出るまでには、さまざまなメンバーのこだわりと努力が重なり合っているのだと改めて実感しました。最後に設計の仕事に関するこれからの想いを聞きました。
清水:今後はこれまで以上に研究部門とも密に連携し、業界や市場の情報をいち早くキャッチして商品開発のベースとなる中身の新規開発に力を入れていきたいと思います。既存商品においても使用性をさらによくするため、処方のアップデートにも積極的に取り組んでいきたいです。
山﨑:商品プランナーの意向や研究員の努力をくみ取りつつ、私たちがお届けする商品を通して多くのお客様に「使いやすい!」「好きな自分になれた!」と思っていただけるよう、こだわりを持った中身設計に励んできたいと思います。
実際に商品を使ったお客様に「良い商品だ」だと印象に残していただけるよう、こだわりをもって理想の色や使用感を追求する商品設計チーム。本物を届けるひたむきさをもって商品づくりに取り組んだ渾身の「ミセイロルージュ」に是非魅了されてみてください!
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