木原防衛相は20日の会見で、防衛省の有識者会議において2023年度からの5年間で約43兆円とした防衛費のさらなる増額に関する意見が出たことについて、「範囲内において必要な防衛力の強化を着実に行っていくことが防衛省の役割だ」として、43兆円の額を見直さない方針を示した。
19日に開かれた防衛力の抜本的強化に関する有識者会議の初会合では、メンバーから物価高騰や円安などを踏まえ、5年間で約43兆円とした防衛費のさらなる増額も視野に見直す必要があるのではないかとの意見が相次いだ。
これを受け木原防衛相は20日の記者会見で、約43兆円の金額について、「防衛省、自衛隊として役割をしっかりと果たすことができる水準として示して閣議決定された金額だ」と述べた上で、「防衛力整備の一層の効率化、合理化を徹底すると共に、戦略的、機動的に政策の企画立案を行い、防衛力の抜本的強化を着実に実現していく」と強調した。