2月15日、日本三景の一つ「天橋立」で男性が斜面を転落、何者かが押す瞬間をカメラが捉えていた。

ふざけて?押された男性落下

15日午後2時20分ごろ、京都府宮津市にある日本三景の一つ「天橋立」で、股のぞき台に立っていた男性が押されて転落した事故。その様子が近くに設置されたライブカメラに映っていた。

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天橋立の絶景を望む展望台でおなじみの「股のぞき」をしていた観光客の男性。

次の瞬間、後ろから来た別の男性に押され、バランスを崩して転落してしまった。
周囲にいた人たちが、慌てて崖下を覗き込むなど現場は騒然。日本有数の観光地は、ただならぬ雰囲気に包まれた。

現場は、ケーブルカーで登った先にある標高130mの高台から天橋立を望む傘松公園の展望台だ。

股のぞきの最中に押されて転落したのは50代の男性。
展望台のすぐ下には、落下防止の鉄柵が設けられているが、男性はこの柵を越えて約15m下まで転落したという。

手すりを持っていないと怖い

明治時代に始まったとされ、天橋立見物の代名詞ともなっている観覧スタイル「股のぞき」。
台の上に立ち、腰を曲げて股の間から眺めることで、空と海が逆転。

天橋立が右肩上がりに勢いよく天へと昇っていく「龍」の姿のように見えるため、縁起が良いとされ、傘松公園は「股のぞき発祥の地」とされている。

観光客:
面白い。逆にあれ(景色)見えるし。でも、確かに手すりをちゃんと持ってないと最初怖いと思う。

取材中にも、バランスを崩し落ちそうになる女性の姿があった。
股のぞき台の横には、「必ず手すりを使うよう」記した注意書きが貼られていた。

観光客:
股のぞきして、ずっと反対から見てるので、ふらっとなって後ろに倒れそうでした。

「ふざけて押すとかはダメ」

転落した男性は、胸の痛みを訴えて入院していて重傷とみられている。公園によると、台から落ちる例はあったものの、15mも下に転落するケースは初めてだという。

観光客:
危ないですし、ふざけて押すとかはダメですよね。

男性は、会社の同僚らと旅行で訪れていて、押したのは同僚の男性だった。事故はどのようにして起きたのだろうか。

事故の瞬間を捉えたライブカメラ映像を見ると、男性は海の方向ではなく、逆向きに股のぞき。

その様子を遠巻きに見ていた同僚の男性が、背後から小走りで駆け寄り、ふざけて男性の尻の辺りを押したように見える。

弁護士法人橋下綜合法律事務所・松隈貴史弁護士:
今回の映像もしっかり証拠として残っている。その結果、結構な重傷を負っているので、「傷害罪」が適用される可能性が極めて高い。法律上は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められている。

展望台は、今後も通常通り営業する予定で、管理者は股のぞきをするときは、「しっかり手すりを持って安全に利用してほしい」と呼びかけている。
(「イット!」2月16日放送より)