自民党の森山派(近未来政治研究会)は25日の総会で、派閥として解散することを全会一致で決定した。自民党の政治刷新本部が「いわゆる派閥の解消」を打ち出したことなどを受け「国民の信頼回復のため」として解散を決めた。総会には派の創設者で最高顧問を務める山崎拓元副総裁も出席した。
今回の派閥の政治資金パーティー事件を受けた自民党の派閥の解散は、会計責任者らが東京地検に立件された安倍派・二階派・岸田派に続いて4件目で、事件で立件されていない派閥としては初となる。そのため、存続意向の麻生派・茂木派の今後の対応に影響を与える可能性がある。
会長を務める森山裕総務会長は総会後の記者会見で、森山派は政策集団として活動してきた一方で派閥のパーティーを開催してきたことに言及し、「国民から見ると政策集団と派閥という仕分けがなかなかできにくい状況だと思う。断腸の思いだが、ここは解散するという選択が、政治の信頼を取り戻し自民党に国民の信頼をお寄せいただくために大事だという全員の思いで決断した」と語った。
また、「お互いに選挙をしなきゃならないので、お前の派閥は解散されていないではないかという批判だけが膨張していくことは、決して好ましいことではない」と説明する一方、今後しかるべき時期に、森山派のメンバーで政策について議論する機会を持つことには含みを持たせた。
近未来政治研究会は、山崎拓元副総裁が、中曽根派を引き継いだ旧渡辺派から独立する形で1998年に結成し、山崎派と称された。山崎派は新興の小派閥ながら、2000年に森内閣に反旗を翻した「加藤の乱」では、切り崩された加藤派と異なり全員が一致して行動するなど結束力の強さを見せつけ、存在感を示した。
その後の小泉政権では山崎氏の幹事長就任に伴い、主流派的な立ち位置となり、2012年には、派閥に途中で合流した石原伸晃元幹事長を会長とする石原派に衣替えした。
2021年には、衆院選で石原氏が落選したのに伴い、森山裕氏が会長につき、森山派に衣替えした。現在の所属議員は8人で、第二次岸田再改造内閣には、坂本哲志氏が農水相として入閣している。今回の解散により、近未来政治研究会は25年の歴史に幕を降ろす。
(フジテレビ政治部)