ロシアの詩人で、プーチン政権を批判していたレフ・ルビンシティン氏(76)が車にはねられ死亡した。

レフ・ルビンシティン氏の娘マリアさんは14日、「私の父、レフ・ルビンシテインがきょう亡くなりました」とSNSで明らかにした。

ルビンシティン氏は1月8日、ロシアの首都モスクワ郊外で車にはねられて病院に搬送され、昏睡状態が続いていた。

運輸省が公開したカメラの映像には、横断歩道のない道路を歩いている人物が、画面の奥から来た車にはねられる様子が収められていた。

運輸省は、「運転手は速度を落とさず衝突した。過去1年で19回の交通違反をしている」と発表した。

ルビンシティン氏は、旧ソ連の地下文学界の中心的人物で、1970年代に台頭した非公式な芸術運動「コンセプチュアリズム」を創設した1人。

日常生活や対話、フィクションを題材にした芸術作品で、ソ連時代の伝統的な規範を覆し社会主義を批判してきた。

また「反プーチン」としても知られ、政権による激しい弾圧と人権侵害に抗議し、ウクライナ侵攻が始まった際には、著名な作家とともに、ロシアの戦争犯罪と大統領府のうそを非難する公開書簡に署名。プーチン政権を公然と非難していた。

ルビンシティン氏の悲報を受け、同氏が所属し2022年にノーベル平和賞を受賞したロシアの人権団体「メモリアル」は、「親愛なる友であり、先輩であり、後輩だった。私たちはこれからもルビンシティンの言葉で語り続けるだろう」と追悼し、「今のロシアには自由な国民や独立した詩人の居場所はない。プーチン政権のロシアでは生き残れなかった」とコメントした。

フジテレビ
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国際取材部
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