相手の恋心につけ込んで現金などをだまし取る、いわゆる「ロマンス詐欺」に加担したとして、現役の女性警察官が逮捕された。
薬物事件担当する警察官がなぜ
11月29日正午過ぎ、佐賀県内の警察署を出る車。乗っているとみられるのは、詐欺の疑いで逮捕された大阪府警西成署の巡査・大谷優璃菜容疑者(25)。
この記事の画像(11枚)警察によると、事件は2023年7月から9月にかけて発生。被害に遭ったのは、佐賀県に住む女性(当時50代)と埼玉県に住む女性(当時60代)の2人。その手口とはどのようなものだったのか…。
仲間とともにカナダ人の男性医師になりすました大谷容疑者は、佐賀県に住む女性(当時50代)に、うそのメッセージを送信。
「イエメンの病院にいるが、母が入院している」
「自分の銀行口座へのアクセスがうまくいかない」
「イエメンからカナダまでの航空券は、20万円です」
これを信じた女性は、犯行グループが管理する口座の1つである大谷容疑者名義の口座に、現金20万円を振り込んだ。
また埼玉県に住む女性(当時60代)は、日本人男性モデルになりすました犯行グループから、このようなうそのメッセージを受け取った。
「タイにいて、個人的なコンテストで優勝して、賞金5億円を手に入れた」
「事務所に見つからないようにあなたの家に送りたい」
「一時的に運送会社に配送料を払ってほしい」
女性はこれを信じ、犯行グループが管理する大谷容疑者名義の別の口座に現金70万円を振り込んだのだ。
被害女性2人はこれ以外にも現金を振り込んでいて、被害総額は1334万円にのぼるとみられている。
被害届を受けて捜査していた警察は、犯行に使った自身の口座から現金を引き出す大谷容疑者の姿を確認。被害女性2人から、合計90万円をだまし取った疑いで逮捕した。
大谷容疑者は2023年3月から、大阪府警西成署で薬物事件の捜査を担当していたという。
犯行グループでは、いわゆる「受け子」として自分名義の口座を貸していたとみられ、調べに対して、「詐欺に加担していたのは事実です」と容疑を認めているという。
警察は犯行動機のほか、共犯者や余罪について調べている。
(「イット!」11月29日放送)