防衛省の研究機関「防衛研究所」が「中国安全保障レポート」を発表し、将来の戦略環境について、中国とロシアの連携強化によりアメリカとの対立が加速していくと警戒感を示した。
「中国、ロシア、米国が織りなす新たな戦略環境」をテーマにした今年のレポートでは、中国がアメリカへの対抗姿勢を強め、既存の国際秩序でのルールや価値を否定し、アメリカのリーダーシップを拒否していると指摘している。
また、国際秩序の変革を目指しロシアとの連携を強化しつつあるとした上で、最大の不確実性として、「プーチン体制の行方」を挙げた。
今後、10年程度の将来について、「ロシアで急激な政治変動が生じない限り、国際秩序をめぐる米国と中ロの対立は加速していく」と警戒感を示している。
日本としては、必要な防衛力の強化やアメリカとの連携の深化に加え、新興国などとの外交の展開も必要だと訴えている。