アメリカのサンフランシスコで行われたアジア太平洋経済協力会議=APEC首脳会議に出席していた岸田首相は、一連の日程を終えて現地で記者会見を行った。
岸田首相はこの中で、APECでの議論に関して「日本としての考え方を発信し議論に積極的に貢献した。この地域の包摂的で強靭な成長には公正で透明性のある貿易投資環境の確保が不可欠であるということを強調した」と成果をアピールした。
その上で「分断や対立ではなく協調の国際社会を実現し人間の尊厳を守り強化する必要性を訴えG7議長国として国際社会の議論を牽引してきた。引き続き活発な首脳外交を行い、日本の平和と安全を守り国際社会を協調に導くため、尽力していく」と強調した。
また、1年ぶりに行った中国の習近平国家主席との日中首脳会談については、日本産水産物の輸入停止の即時撤廃を求めたことを強調し、「建設的な態度を持って協議と対話を通じて問題を解決する方法を見出していくことで一致した。今後、専門家のレベルで科学に立脚した議論を行っていく。日本産食品輸入規制はあらゆる機会を捉えて、即時撤廃を強く働きかけていく。科学的分析と事実に基づく冷静な判断を促していきたい」と述べた。
その上で中国による輸入停止措置解除の時期の見通しについては「今の段階でその時期は予断を持って言えない」と述べるにとどめた。