アメリカのサンフランシスコで行われているAPEC=アジア太平洋経済協力会議にあわせて岸田総理大臣と習近平国家主席の日中首脳会談が終了した。
岸田首相は、会談について、福島第一原発の処理水放出に対する日本産海産物の輸入停止措置について「科学的な根拠に基づく冷静な対応を求めた」とした上で「輸入禁止措置の即時撤廃」を求めたことを明らかにした。
今後については「両国で、建設的な協議と対話を通じて問題を解決を見いだすことで一致した。専門家レベルで科学的な議論を行っていくことになる」と述べた。
輸入停止措置の撤廃に向けた会談の意義として、岸田首相は「両国の意思疎通が図られてこそ具体的な取り組みが進む。早期解決に向けて意思疎通が重要だということを両首脳間で確認したことは意義がある。結果につながるよう努力する」と述べた。
また、1年ぶりに開催された日中首脳会談での習主席に対する印象については「冷静に自らの立場を説明いただいた。両国の理解を深める上で有意義なやりとりができたと感じる」と述べた。
会談は当初の予定を大幅に超え、65分間行われた。岸田首相は会談の成果について「全体で一定の手応えを感じている」と述べた。