農林水産省が7日に発表した9月の中国向けの水産物の輸出額は、前年同月比で90.8%減り、約8億円だった。
これまで中国は水産物の最大の輸出先だったが、8月下旬から始まった福島第一原発の処理水放出に中国が反発し、日本産水産物を全面的な輸入禁止にしたことが影響している。
宮下農水相は7日の閣議後の会見で、「産地市場での聞き取りではホタテやナマコ等の一部価格が下落しているとの声がある」とした上で、「影響を受ける水産事業者に寄り添った対策の実施に万全を尽くしたい」としている。
一方、水産物以外も含めた9月の農林水産物・食品の輸出の総額では、香港や米国向けで真珠やホタテ貝の輸出が増加した影響で、前年同月比で3.1%増加し1176億円だった。
2023年の輸出総額は1兆531億円となり、2022年より1カ月早い1兆円超えとなった。