取材班:
こちらのフェンスに丸い穴があいています。こちらにもたくさんの穴があいてますね。

都内で取材班が見つけたのは、金網フェンスにあいた“謎の穴”。この場所以外にも、さまざまなところで約20カ所の穴があることを確認した。

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取材班:
修繕の跡もあるんですけど、その修繕(跡)も切られて穴があいちゃっているので。

明らかに人為的な行為と見られるが、誰が何のためにあけたのか。追跡取材で正体が明らかになった。

東京・台東区の橋の上に設置された金網。ここにも三つの“謎の穴”が確認できる。直径は10cm~20cmほど、その中から見えるのは線路のようだ。

子どもが通り抜けできるサイズの穴も

実はこの穴の使い道、地元では有名だという。

近隣住民(80代):
電車を撮るため。ここ1つでしょ、ここもあるでしょ。電車オタクだよね、これみんなそうだよ。

橋の利用者(50代):
ここなんか結構路線が多いので、よく来てますね。ここからこう貫通するように(レンズを)通して、電車を待っている感じですね。

列車を撮る鉄道ファン、いわゆる“撮り鉄”が、撮影の際、カメラのレンズを入れる穴をあけるという。

こうした撮影用の穴、SNSには都内だけではなく、全国各地で目撃情報が投稿されている。子どもが通り抜けできる大きなサイズの穴もあり、危険な状態だ。

穴を使っていた“撮り鉄歴20年”の男性を直撃

取材中には、こんな男性の姿も。

スタッフ:
穴の前に男性が現れました。辺りを確認しています。カメラを取り出しましたね。穴にレンズを入れて写真を撮っています。

周囲を確認し、謎の穴からカメラレンズを差し込み、写真撮影。取材班が直撃すると…。

撮り鉄(50代):
(電車に)茨城のイベントのマークが付いてて、それを撮りに来ただけなんですけど。

Q.穴が開いてる方が撮りやすい?
撮り鉄(50代):
網が邪魔だからっていうのはありますけど、(金網が)ないにこしたことはない。

撮り鉄歴20年という、この男性。穴あけが器物損壊に当たることを認識していて、自分で穴をあけたことはないと言うが…。

撮り鉄(50代):
気付いたら(穴は)あいていたから。プロのカメラマンが昔から(穴をあける)そういうふうのやっていて、仲間たちで(穴をあける)やってたのが、そのまま広まっているという話ですね。

これまでも度々、撮り鉄仲間たちがあけた穴をそのまま利用してきたという。

専門家“法律に抵触する可能性”も指摘

こうした行為に法的に問題はないのか…。

橋本綜合法律事務所 松隈貴文弁護士:
穴から物を落としてしまったりすると、下が線路ですので。鉄道の往来に危険を生じさせてしまう可能性があるということで「過失往来危険罪」という罪が成立する可能性があります。

撮影時にレンズキャップなどを落としてしまった場合、列車の往来を妨害したことを罪に問われる可能性があるという。
(「イット!」11月6日放送より)