さいたま市の2つの小学校の児童や教員が、10月に林間学校で福島・南会津町に宿泊したあと、発熱やおう吐、下痢などの体調不良を訴えていることがわかりました。

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体調不良を訴えたのは、緑区の小学校の児童76人と教員3人。さらに、北区の小学校の児童71人と教員5人のあわせて155人に上り、市は「集団食中毒」の可能性もあるとして、調べています。

参加した児童が感じた“異変”

「めざまし8」が、林間学校に参加した児童に話を聞いてみると、話してくれたのは、林間学校で感じた“ある異変”でした。

林間学校に参加した児童:
2日目の夜に、友達が「気持ち悪い」って言ってて、それでもどしちゃったから。本当に寝る前で、「お腹痛い、気持ち悪い」ってなっててそのあとにもどしちゃった。

就寝前に、突然体調不良を訴え、嘔吐してしまった友人。

林間学校に参加した児童の母親:
血液検査して、血中酸素濃度から異常があって、検査したら「食中毒」だったっていう話を聞いたんです。娘にとってこの林間学校が、食中毒で嫌な思い出になるのが嫌で。

今回多くの体調不良者がでた緑区の小学校は、この施設を10月16日から18日まで2泊3日で利用。そして、同じく北区の小学校は、10月18日から20日まで利用していました。

林間学校で提供された食事は、それぞれ宿泊施設が調理したものが6食。カレーライスや焼いた川魚など児童らが作った食事が1食あったといいます。

この施設で出された食事について…。

林間学校に参加した児童:
食事がちょっと、ウインナーとかが肉臭かったっていうか。味が変だった。

別の児童らも、食事に“違和感”を覚えたといいます。

林間学校に参加した児童:
ヒレカツがなんか、昆虫ゼリーみたいな風味した気がする。なんかおえってなった。全然食べなかったヒレカツは。

林間学校に参加した児童:
ポークカレーライスと福神漬けのやつ。みんなで「硬いね」って話してた。「硬くなっちゃってるねご飯」って言ってた。

林間学校に参加した児童の親:
娘の意見ですけど、とにかくおいしくなくて、冷たいごはんがでてきたり。
量も食べられなくて、相当なんか変な味だったのかなと…。なかなか物を残すとかしない子だったので。

専門家が指摘する“2つの可能性”

何人もの児童が覚えた、料理への“違和感”。食中毒に詳しい専門家は「ノロウイルス」の可能性を指摘します。

食品微生物センター 山口憲太 代表:
タイミング的にもノロウイルスの散発事例だと思います。最初パラパラ出て、後から全体に広がってしまったパターンだと思います。

その上で、2つの可能性があるといいます。

食品微生物センター 山口憲太 代表:
生徒さんとかがウイルスに感染している状態で、林間学校に来て、嘔吐をした。その中で広がっていった。(もう一つは)従業員の方からノロウイルスが出てきた場合、食事を介しての食中毒ということになります。食事を介して、感染が広がったということになる。

児童が宿泊した施設は…

体調不良を訴えた児童らが宿泊していた施設は、すでに休館となっていました。施設の関係者に話を聞いてみると。

宿泊施設の関係者:
検食などを提出し保健所の回答を待っている状態です。当該の宿泊施設は2校目が帰ってから休館にし、以降の林間学校は別の宿泊施設で実施しております。

現在、さいたま市は体調不良者の検査を実施。福島県も宿泊施設の調理従事者の検査を行っており、詳しい原因を調べています。
(めざまし8 10月25日放送)