岸田首相は21日、都内ホテルで開催された第10回富士山会合・年次大会にビデオメッセージを寄せた。
挨拶で岸田首相は「『富士山は吉田口から登れ』という言葉がある」と紹介し「困難な挑戦こそ奇をてらうことなく、真正面からしっかりと取り組むことが成功の秘訣だ」と述べた。
挨拶では自らの「困難」について「国際社会は今、歴史的な転換点にある、課題に真正面からしっかりと取り組む」と述べた。
岸田首相にとっては、政権支持率が発足以来最低に沈む中、内政でも経済対策をまとめる「困難な登山」の道半ばだ。11月上旬にまとめる予定で、20日には与党政策責任者に所得税減税の検討を指示し、今後政府与党で困難な作業が本格化する。
さらに岸田首相は挨拶の中で「富士登山が山頂近くなると大変になる」と述べた。自ら抱える課題が「山頂」に近づく中、困難な現状を吐露したようにも聞こえる言葉だ。
最近「正念場」との言葉を重ねる岸田首相が目指す「山頂」は、物価高の現状打破や、デフレを完全に脱却する「新しい経済ステージ」だ。臨時国会が召集され、野党からの論戦に晒されるという上り坂が始まる。