中国のSNSで拡散されている動画。そこには、安倍元首相の銃撃事件を揶揄し、日本を批判する寸劇が収められていた。その内容を巡って、波紋が広がっている。

安倍元首相銃撃事件を“寸劇”に…

9月、山東省にある高校の運動会で撮影されたとみられる動画。

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中央に置かれた椅子の両隣に、黒いTシャツにサングラス姿の生徒2人がスタンバイする様子が映し出されている。そこに現れたのは、拍手と“笑い声”に迎えられた、黒いスーツを着た人物。

その“顔”に注目してみると、つけていたのはお面。さらに、そのモチーフは故・安倍晋三元首相のようだ。

お面をつけたスーツ姿の人物は、椅子の上に立ち、何やらスピーチを開始する。日本語をまねた“でたらめな演説”で、観衆にアピールしている。すると…

今度は画面手前の左側から、黒いジャージ姿の生徒が登場。そして、ポケットから拳銃のようなものを取り出した、次の瞬間…

安倍元首相に扮した人物が倒れると、周りの生徒たちから拍手と大きな歓声が上がった。

この寸劇は2022年7月、参院選の応援演説中に安倍元首相が銃撃された事件を再現したもののようだ。

福島第一原発での“処理水放出”も批判

さらに寸劇には、“別の演出”も加えられていた。
“安倍元首相役”が倒れると同時に、掲げられた横断幕にはこう書かれていた。

「2発の銃声で骨まで凍え、海に放出された汚水は、さらなる問題を引き起こすだろう」

銃撃事件とは直接関係のない、福島第一原発での処理水放出を持ち出し批判していたのだ。

この動画は10月に入り、中国のSNS上で拡散される事態になっているという。

処理水を巡る中国の“強硬姿勢”が続く中で広がった、“新たな波紋”…。今回の動画の一件を、複数の中国メディアが報じたものの、その後に記事は削除されたという。
(「イット!」10月10日放送より)

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