首都圏を中心に全国に63店舗を展開していた女性専用脱毛サロン「シースリー」の運営元が東京地裁に自己破産を申請し、破産手続きを開始していたことが分かった。利用者からは怒りの声が上がっている。

1度も施術受けられず…突然の破産

「8月後半に京都河原町店で契約をしたんですけど、9月2日に(予約)キャンセルの連絡が来まして、結局1回も受けられていないんですよね。『永久に使えるプレミアムコース』の友達割引を使ったので15万円ぐらいオフになっていて、約28万円を一括で口座振り込みで払いました

京都の店舗で契約したという20代の女性はこう話し、まさかの破産発表にあぜんとしていた。

東京・銀座や渋谷、新宿など首都圏を中心に全国に63店舗を展開していた女性専用脱毛サロン「シースリー」。運営元の「ビューティースリー」が東京地裁に自己破産を申請し、破産手続きを開始していたことが分かった。負債総額は約80億円。脱毛サロンの倒産では過去3番目の規模という大型倒産だ。

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「生涯ツルスベ肌 納得いくまで通い放題」「全身脱毛顧客満足度2年連続No.1」などをうたっていたシースリーは、追加料金なしの通い放題プランや、豪華な内装の個室完備などを売りに集客していた。

8月末に京都の店舗で契約したばかりだった20代の女性は、支払った28万円の返金を求めたが、「『解約したい』と伝えたが、本社とのやりとりになるというふうに言われて、『返金への希望はあまりない』と言われた」という。

従業員も“寝耳に水” 8月分給料は未払い

客だけでなく従業員にとっても、破産は寝耳に水の事態だった。シースリーの元スタッフは「ありえないなと本当に思う。解雇になることを伝えられたのが4日前とかだった」と明かす。

首都圏の店舗に勤務していた元スタッフが異変を感じたのは、8月末のことだった。突然、「明日の営業前にリモート会議がある」との連絡が入り、翌朝、全国100人以上の従業員が参加した。独自に入手した8月28日のリモート会議の音声には、次のような説明があった。

運営側の説明:
ここ数年のコロナ禍で収益獲得が難しくなって、経営状況が厳しくなっておりました。9月1日から運営母体が変わる運びとなりました。

「4日後から運営が別会社に移る」との発表。さらに、説明を終えると、動揺するスタッフを前に、次のように“注意”をうながした。

運営側の説明:
今、こう突然、たこでいうとひもをプチッと切られた感じで、皆さん不安の中でふわふわと空を舞っているような状態になっているのかなと思いますが、SNS等で“世界発信”だけは本当にやめてくださいね。そこだけは情報の取り扱いにですね、十分ご注意ください。

「すごくムカつくんですよね。8月普通に何も知らずに働いていたので、人の時間をなんだと思っているのかな」。元スタッフは別会社に移らず退職したが、8月分の給料が支払われていないという。

施術サービスは“別会社に引き継ぐ予定”だが…

破産を発表したシースリー側は、今後の利用者への対応として、施術サービスは別会社に引き継ぐ予定としている。ところが、高知県の店舗で契約した20代の女性は怒り心頭だ。

高知県には施術サービスの継続店舗がないという
高知県には施術サービスの継続店舗がないという

女性によると「1週間ぐらい前から全然予約が取れなくなって。高知店は(施術サービスの)継続店舗がないので、(代金を)持ち逃げされたみたいな感じ」だという。女性は、「30万円も払って、生涯保証って言われていたのに何の連絡もなく、ちょっと悔しすぎます」と怒りをあらわにした。
(「イット!」9月28日放送より)

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