河川敷に勝手に作られた畑、いわゆる“ヤミ畑”。
そこには、ナスやスイカといった夏野菜がずらりと並んでいた。

取材班は“ヤミ畑”がある岡山市内の河川敷へ向かった。

収穫した野菜の保管庫も

河川敷に建てられた小屋。周囲には畑が広がっている(岡山市)
河川敷に建てられた小屋。周囲には畑が広がっている(岡山市)
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岡山市にある河川敷を歩いていると、目の前に小屋が現れた。
国が所有する土地で、勝手に作物を育てている“ヤミ畑”だ。

小屋のそばにはナスが植えられ、パプリカや唐辛子とみられる野菜がなっていた。
この他、スイカや柿などの果物も栽培。

畑には明らかに耕された跡が残されていた。

畑には耕された跡がある
畑には耕された跡がある

小屋のすぐそばに積まれていたのは、「店内専用」と書かれたスーパーの買い物カゴ。
収穫した野菜を入れるのに使われているようだ。
さらに、畑には野菜の保管庫まで建てられていた。

河川敷の約300mにわたって作られたヤミ畑。
国有地である河川敷に勝手に畑や小屋を作ると、河川法違反にあたり、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる可能性がある。

河川敷に勝手に畑や小屋を作る行為は、河川法違反
河川敷に勝手に畑や小屋を作る行為は、河川法違反

そして、9月24日早朝。取材中のカメラが、ヤミ畑に近づいていく1人の男性の姿を捉えた。

「柿採って食べていいよ」

男性にヤミ畑の主かを聞くと、「全部私が植えている。荷物は全部私のもの」とあっさりと認めた。

「荷物は全部私のもの」
「荷物は全部私のもの」

この男性は中国出身で、20年ほど前からヤミ畑で野菜を育てているという。
2022年7月、県から撤去するように注意されたにもかかわらず、23年も夏野菜を栽培。
収穫した野菜は、自分で食べるという。

2022年7月に県から撤去するように注意されたが、23年も夏野菜を栽培
2022年7月に県から撤去するように注意されたが、23年も夏野菜を栽培

撤去を求められている男性だが、悪びれる様子はない。
実がなった木に近づき、こう話した。

実った柿を取材班に差し出す男性
実った柿を取材班に差し出す男性

ヤミ畑で野菜を作る男性:
これ何かな?柿か。採っていいよ、採っていいよ。もし、いるなら袋はある。食べていいよ。

さらに畑から持ち帰り、自転車に積んであった大量のジャガイモを手にすると…。

ヤミ畑で野菜を作る男性:
まん丸で大きいのがいい。これは小さい。もし欲しかったら、持って帰っていいよ。ジャガイモあげるよ。遠慮せんでもいいよ。

畑に散乱する空き缶。県担当者は、増水時に「流れを阻害する危険性がある」と指摘
畑に散乱する空き缶。県担当者は、増水時に「流れを阻害する危険性がある」と指摘

畑には、空き缶なども散乱していた。

岡山県 備前県民局の小寺哲也さんは、河川敷にあるヤミ畑の問題点を「こういう形で放置されると、水が増水した時に下流に(ゴミが)流れていったり、場合によっては引っかかって、流れを阻害する危険性がある」と指摘した。
(「イット!」9月25日放送)

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