公正取引委員会は21日、IT企業が運営するニュース配信サイトの実態調査報告書を公表し、報道機関に支払う記事使用料を著しく低く設定する場合は、独占禁止法上問題になると指摘した。
調査は、公取委が指摘していた、ニュース配信サイトを運営するIT企業が取引条件の明確化などの課題について、その後も実質的な改善が進んでいないとして行われた。
調査の結果、ニュース配信サイトから支払われる記事使用料について、単価が最大で約5倍の差があった。公取委は著しく低く価格を設定し、報道機関に対して不当に不利益を与えるような場合は、独禁法違反となるおそれがあると指摘した。
また、報道機関の6割が「ヤフーニュース」から最も多く支払われていると回答し、ヤフーが報道機関との関係で「優越的地位にある可能性がある」との見解を示した。
使用料の水準の根拠となるデータについては、「可能な限り開示することが望ましい」と指摘した。
公取委は今後、独禁法上問題となるような具体的な案件があった場合は「厳正的確に対処する」としている。