8月17日、神奈川・鎌倉市にある人気の海水浴場「由比ガ浜海水浴場」で、水難事故が発生。男子高校生3人が溺れ、16歳の高校生1人が行方不明になっています。
![1人がまだ見つからず、捜索活動が続いている](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/c/0/700mw/img_c0f5630651197c81cc09e6e98156dbe8361037.jpg)
18日も午前5時ごろから、警察や海上保安庁などによる、捜索活動が続いています。
![18日朝5時ごろから、捜索活動を再開](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/a/6/700mw/img_a66a7b8a7e5c86591440b8461c7ac48c172811.jpg)
休日には1万人もの人が訪れる、全国的にも人気の海水浴場である「由比ガ浜海水浴場」で、なぜ事故は起きてしまったのでしょうか?
救助された高校生は「痛い、痛い」と… 発生当時の状況は?
鎌倉市によると、17日は午前から遊泳可能を知らせ、正午の時点で約1500人の海水浴客が訪れていたといいます。
![事故があった17日当日、正午時点で約1500人の客が訪れていた](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/8/d/700mw/img_8dc359301818d92d56cb4eedd2b883de612593.jpg)
大勢の人が海水浴を楽しむ中、突然アナウンスが。
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「現在遊泳されている方は、“遊泳禁止”となったため、速やかにお上がりください」
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16歳の男子高校生3人が溺れたのです。当時の様子を目撃した人は…。
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目撃者:
1人目の方が、担架で運ばれて。救急車が3台くらい止まっていまして。そのまま仰向けで「痛い、痛い」って言いながら、救急車に乗って運ばれていきました。
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溺れた男子高校生3人のうち、2人はライフセーバーによって救助され、意識もあるといいますが、一緒にいた1人が行方不明に。
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当時3人がいたのは、海水浴場の遊泳区域の中、波打ち際で遊んでいたといいます。
ライフセーバーや海の家の従業員、そして海水浴客らが協力し、1列になって海の中に入り、行方不明者を捜索します。
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溺れたうちの1人が浜に打ち上げられているのを見たという、由比ガ浜にある海の家の従業員は、そのときの様子をこう話します。
![由比ガ浜で営業している海の家の従業員](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/6/700mw/img_f6d6c85b250525ddc5efe7bb50b420ee301141.jpg)
海の家従業員:
1人浜に打ち上げられているような様子で、その隣に友人がいて。声をかけている状態だったんですけど、全然反応がなくて。
その後に救急隊の方が何人か来て、声をかけていたんですけど、全然反応がない状態でした。
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ーー事故が起きた当時の風や、波の状態は?
海の家従業員:
いつも台風前とか、結構風が強いときは「遊泳注意」とか放送が入るんですが、きのうは「遊泳可能」という放送が入っていて、そこまで波が高いとかそういうわけではなかったです。
「離岸流」や「戻り流れ」の可能性
「遊泳可能」ではあったものの、午後になって非常に強い風が吹いていたという由比ガ浜。事故直前の午後1時18分には、最大瞬間風速10.6m/sを観測しました。
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救助された2人は「海で楽しく遊んでいたら、沖合に流された」と話しており、水難学会の斎藤秀俊理事はここから、「離岸流」の可能性があると指摘します。
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「離岸流」とは、海岸に打ち寄せた波が、再び沖に戻ろうとする時に発生する強い流れのことです。
![水難学会 斎藤秀俊 理事](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/1/700mw/img_d1a535feb79c271e33fc7ac9f73d67cd477970.jpg)
水難学会・斎藤秀俊 理事:
離岸流は、気がつかない間に沖合に流れていく。そういった流れなんです。
沖合に行けば当然、深くなっていますので、足が付かなくなって、そこで溺れてしまう。これが離岸流による典型的な水難事故になります。
![海岸に打ち寄せた波が、再び沖に戻ろうとする時に発生する強い流れを「離岸流」という](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/a/700mw/img_6aa4b4eb30fc1d6932485202642b82d7168388.jpg)
さらに、もうひとつ可能性があるもの。それは、台風通過直後の「戻り流れ」(凹凸のある砂浜で発生する強い引き波)です。
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水難学会・斎藤秀俊 理事:
「戻り流れ」の可能性も高いです。ひとつはやはり台風通過後で、まだうねりがのこっているということ。
それから目撃者の証言で、(助かった高校生が)「痛い、痛い」と言っていたという証言があったじゃないですか。あれがひとつのキーワードになるかなと。
戻り流れにやられると、白く波立った“砕波帯(さいはたい)”という波が崩れるところがありますが、そこでグルグル巻きになってしまうんです。そのときに、相当体がひねられて痛い思いをします。
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水難学会・斎藤秀俊 理事:
波と波の間隔が結構広かったということからすると、やはり“うねり”が入っているのかなという感じです。そうすると、戻り流れが出やすい条件が満たされていると。
この時期は特に注意 沖に流されてしまった場合の対処法
もし自分が「戻り流れ」などで沖に流されてしまった場合、以下のような対処法をとることが大切です。
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水難学会・斎藤秀俊 理事:
体の力を抜いて大の字で息をためて、最後まで息を吐かないでいると、すぐに水面にプカっと浮くようになるので、そのあとは仰向けになって呼吸をしてください。
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ーー夏休みが続きますが、海水浴に行くときにどのような点に注意すれば良いでしょうか?
水難学会・斎藤秀俊 理事:
昔から「お盆やお盆明けは海に行って泳ぐな」と言われていますが、これは台風が来たり、あるいは過ぎ去ったりする時期でもあるからなんです。
そういうときの海では、うねりを伴った強い波が来たり、それに引っ張られたりの現象がありますので、ぜひともこれからの季節に海に行かれる方は、慎重に慎重を重ねて遊んでいただければと思います。
(めざまし8 8月18日放送)