連日発覚するビッグモーターの問題で浮かび上がる、社内のパワハラ体質。
過剰なノルマは、フリマサイトを使ったカー用品の販売でも行われていたと、元社員が8日に証言した。

使わなくなったタイヤをもらって即出品

元社員・Aさん:
(客から使わなくなった)タイヤもらって、メルカリに即出品して、なんでこれは売れてないんだって詰められることはあります。

空気清浄機など車に関係ない商品も出品されていた(メルカリの出品画面)
空気清浄機など車に関係ない商品も出品されていた(メルカリの出品画面)
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現在のビッグモーターの出品をメルカリで見ると、タイヤ以外に空気清浄機や冷蔵庫など、車に関係のない商品も売られている。

元社員・Aさん:
店長は上から言われて、店長から今度は下の人たちに、メルカリはどうなっているんだとか。

車検利用した部品の不正転売

こうした中、8日も新たな疑惑が発覚。部品の不正転売が行われていたと、元社員のBさんがFNNの取材に証言した。

元社員・Bさん:
サービス部門の工場長がいないということで、「あれ? どうしたの?」と他のスタッフに聞いたら、部品をくすねてどこかに売っていたという話を聞きました。

自ら勤務していた店舗だけでなく、ほかの店でもうわさされていたという不正転売は、車検を利用して行われていたという。

替える必要のない部品を車検の見積もりに計上し、部品交換せずに車を客に返却。余った部品を転売。
替える必要のない部品を車検の見積もりに計上し、部品交換せずに車を客に返却。余った部品を転売。

その手口は、本来は替える必要のない部品を車検の見積もりに計上し、実際にはその部品を交換しないまま車を客に返却するというものだ。

元社員・Bさん:
その部品が新品のまま余りますよね。新品の部品であれば、ほかに転売することも可能なので、小遣い稼ぎにポケットに入れるって。

“悪い事やれる人間だけが生き残れる会社”

車検を介して客に新しい部品を買わせる形で、その部品を使わずに新品のまま転売して利益を得る。こうした行為の背景に、兼重宏一前副社長らを筆頭とするパワハラ体質があったと元社員は指摘する。

元社員・Bさん:
パワハラで押しつけられている現場のスタッフからしたら、こんな会社つぶれてしまおうが、どう思われようが知ったことじゃないって、悪いことでも平気でやってのける人間だけが生き残れる会社がビッグモーターだと思う。

この不正転売疑惑について、FNNはビッグモーター側に事実関係の確認を求めたが、ビッグモーター側は「個別の事案につきましては回答を控えさせていただく」としている。

影響が拡大するビッグモーターの問題。8日、河野消費者担当相は、「中古車の売買について心配の声も寄せられており、対応が急務な状況である。この事案は重要な消費者問題である」と述べ、被害の救済や予防など対応を強化する方針を明らかにした。

(「イット!」8月8日放送より)

※FNNでは「ビッグモーター不正問題」を継続取材しています。情報提供してくださる方は、ぜひこちらまでご連絡ください。

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