ゴルフ場で鮮やかにティーショットを放つ人物。不正が相次ぎ発覚したビッグモーターで、問題の中心的人物と指摘されている兼重宏一前副社長だ。
父の宏行前社長は会見で、ゴルフボールで車に傷をつけたことについて、「ゴルフを愛する人への冒とく」と発言していたが…。
息子である宏一前副社長もゴルフ好きなのだろうか。
「権力でねじ伏せるというか…」元社員が証言
問題発覚以降、記者会見を含め一度も公の場に姿を見せていない宏一前副社長。
一方で「教育教育教育、死刑死刑死刑」と、教育・死刑などの言葉を連呼するLINE上でのパワハラ書き込みを行っていたことが明らかになっている。
FNNはそんな宏一氏によるものとみられる、別の書き込みを新たに入手した。
「保険取れない店長は解任します」
「わけわからん車をバカ買いする人は交代させてください」
「クソボケは大丈夫ですか?」
解任や交代などの言葉を使って社員を叱責。関東地区で店長を務めていた元社員のAさんは、宏一氏の指導について次のように話した。
元社員のAさん:
直接的にバカとかクソとか、そういったのはなかったですけども。その代わりに権力でねじ伏せるというか、ゲームみたいな感じでやってたのかなと。
罵倒は「日常的だった」 突然の異動も
パワハラ的な言葉が交わされたLINEをめぐり、西日本の店舗で現役店長を務めるBさんは、問題が発覚するまで、約30ものグループLINEに参加させられていたという。そこでは宏一前副社長たちからの指示や罵倒が、ひっきりなしに飛んでいたと証言した。
現役店長を務めるBさん:
トップダウンで来るので。(Q. 指示を出すのは副社長が)メインだったんじゃないかなと思います。
現役店長を務めるBさん:
(Q. 「死刑」とかは)日常的によく出ていたんじゃないかと思います。
Bさんは、宏一氏らによる店舗の清掃状況などをチェックする「環境整備点検」の直後、異動を言い渡された経験があるという。
現役店長を務めるBさん:
その場で向いてないって言われて。その後、何時間後かに電話がかかってきて、本部長から「ここに転勤」「明日から」と。(Q.おかしいと思わない)“まひ”しているんでしょうね。
LINEなどを通じ、宏一前副社長が行っていたとされるパワハラについて、ビッグモーター側に事実関係の確認を求めたところ、次のような回答があった。
「報道につきましては、承知しております」
「調査報告書の提言内容を踏まえ、現場の声を拾い上げる仕組みの構築と、再発防止に向け真摯に対応してまいります」
また、いまだ姿を見せない宏一氏の記者会見については、「副社長を退任しているので、取材依頼等は受けない」と回答した。
こうした中、ビッグモーターによる新たな疑惑が浮上した。他の中古車販売業者で行われる車の査定について、ビッグモーター社員が客の名前をかたり、査定の日程を勝手にキャンセルしていたことがわかった。
FNNが関係先に取材したところ、ビッグモーター側によるこうした同業他社への客のなりすまし行為や査定妨害は普通にあり、業界では有名な話だったという。
FNNでは「ビッグモーター不正問題」を継続取材しています。情報提供してくださる方は、ぜひこちらまでご連絡ください。
(「イット!」8月7日放送より)