不正請求など、新たな問題が連日発覚するビッグモーター。問題の背景にあるパワハラ体質を裏付ける音声を、フジテレビが入手した。

テーブルたたき「ぶち殺すぞ!」と罵声浴びせる

フジテレビが入手した音声データ:
「ぶち殺すぞ!この野郎!」

当時の管理職が部下に罵声
当時の管理職が部下に罵声
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当時の管理職が部下に対し、どう喝まがいの激しい罵声を浴びせている。「もっとやれ!なめるなよ!」という声と、「ドン!」とテーブルをたたく音も聞こえる。

上司が部下を責め立てる様子は、書類のチェックの際も行われていた。

書類のチェックでも責め立てる
書類のチェックでも責め立てる

管理職(当時):
もっと分かりやすく書けよ。必要な番号くらい書いとけよ、てめぇ。てめぇに言ってんだからさ。(書類を)打つんだろ!?お前は。

部下:
はい…

部下が「はい…」と答えると
部下が「はい…」と答えると

管理職(当時):
必要な番号くらい書いとけよ、意味が分かんねぇだろ!分かるかボケ!理解してんのか?やる気ねぇんだったら、(会社)辞めろ!

さらにLINE上では、未明でも報告を上げるよう、上司が圧力をかける様子が見られた。

LINEで未明でも報告を上げるよう圧力
LINEで未明でも報告を上げるよう圧力

上司:
夜中の1時だからなに?関係ないから。夜中の1時に、人はねたらシカトできんの?
部下:
人をはねたら無視できません。 申し訳ございません。

こうしたパワハラ体質は、日常的にビッグモーター社内にはびこっていたと元従業員は語る。

パワハラ体質は日常的に社内にはびこっていたという
パワハラ体質は日常的に社内にはびこっていたという

元従業員:
(夜中に)平気で電話かけてきて、怒鳴られたりとか。人間不信じゃないけど、恐怖心が強くなっちゃって。

客にも「すぐ連れてこい。しばいてやる」

管理職の独善的な振る舞いは、利用客に対しても。車を査定しに来た客から、「車体に薄い傷がついた」とクレームが入ると、その後のLINEでは、次のようなやり取りが行われていた。

車を査定しに来た客からクレーム
車を査定しに来た客からクレーム

上司:
雑巾で傷つきますか?“輩”には“輩”な対応してください。きたねぇ車にいちゃもんつけられて、ひるむから甘く見られるだけです。さっさと(客を)連れてこいや。しばいてやるわ、こら。

その後のLINEでのやり取り
その後のLINEでのやり取り

部下が穏便に済まそうと、客と話し合った後も…。

部下が客と話し合った後も
部下が客と話し合った後も

上司:
すぐ連れてこい。俺の時間つぶしただろうが。やくざにはやくざを、ヤンキーにはヤンキー対応。
部下:
申し訳ございません。電話に出てもらえません。
上司:
電話に出ねぇなら、かちこめばいい話だろうが。

ビッグモーターの内部では、こうしたLINEのやり取りは、日々行われていたという。

実態の解明が待たれる中、金融庁は7月31日、ビッグモーターに対して、損保会社との取引実態などについて、法律に基づく詳細な報告を求める命令を出した。

FNNでは「ビッグモーター不正問題」を継続取材しています。情報提供してくださる方は、ぜひこちらまでご連絡ください。

(「イット!」7月31日放送より)

イット!
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経済部
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