人気スポットの空き店舗で遺体発見

熊本市の繁華街のビルから見つかった“全身を布で巻かれた遺体”。その身元が、28日から行方が分からなくなっていた29歳の女性だと分かった。

この記事の画像(18枚)

熊本中心部の繁華街。飲食店などが建ち並び、若者にも人気の場所だ。事件があったビルには2階部分からブルーシートがかけられていた。警察官が出入りする姿も見られ、奥では鑑識活動が行われていた。

現場は、若者にも人気の場所。現場には、ブルーシートがかけられていた。
現場は、若者にも人気の場所。現場には、ブルーシートがかけられていた。

物々しい雰囲気に包まれたのは、若者向けのショップが並ぶ熊本市の人気エリア「並木坂」。遺体は、多くの人が行き交う通り沿いにある雑居ビルから見つかった。

近くの店の従業員は取材に対して、「1階部分は知らないです。空き店舗だったと思います」と話していた。

遺体は布で”グルグル巻き”

29日午後8時40分ごろ、このビルの空きテナントの中で発見された遺体。頭からつま先まで、全身を大きな布で覆うように包まれ、横たわった状態だったという。

賑わう繁華街での遺体発見。近くに店を構える人たちは驚きを隠せなかった。周辺の店の人は取材に対して、「最近不審なことは、何にも知りません。本当にびっくりです」などと話していた。

遺体で見つかったのは、熊本市中央区の派遣社員、辰島ありささん(29)だったことが明らかになった。辰島さんは、遺体発見現場から徒歩5分ほど離れた住宅街に住んでいたが、連絡が取れなくなり、行方不明届が出されていたという。

29歳女性、バイト帰りに行方不明

辰島さんは、28日午前1時ごろにアルバイト先を出た後、連絡が取れなくなっていて、29日午前1時ごろ、父親が警察に行方不明届を出していた。

現場近くでは、警察が防犯カメラの映像を捜すなど、周辺捜査が進める様子がみられた。

現場近くでは、防犯カメラの映像解析などが進められていた。
現場近くでは、防犯カメラの映像解析などが進められていた。

警察は、防犯カメラなどで辰島さんと体格や服装が似た人物を追い、最後にその“影”が途絶えた付近のビルを搜索。すると、空きテナントの中から、全身を布で包まれた辰島さんの遺体が見つかったという。

女性は”裸足”所持品なし

取材によると、現場付近は早い時間帯に営業が終わる店が多いため、深夜の人通りはあまり多くないとのこと。

遺体を覆っていた布を取ると、辰島さんは服を着た状態だったが、着衣の一部が乱れ、裸足だったという。これまでに靴や所持品は見つかっていない。

検視の結果、遺体の損傷や目立った刺し傷や切り傷などは確認できていないという。警察は司法解剖を行い、死因を調べている。

近くの店の従業員は、取材に対して、「人通りがあるとはいえ不安です。早く解決して欲しい」などと話していた。

警察は、辰島さんがアルバイト先から帰宅する途中に、何らかの事件に巻き込まれたとみて捜査している。

(「イット!」5月30日放送より)