「水郷の町」として知られる福岡県柳川市。船頭の語りと歌を楽しみながら周遊する川下りは、全国的に知られる観光名物です。

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しかしいま、そんな“観光名物”で行われるある行為が物議をかもしています。

船頭が舟から橋へよじ登り
船頭が舟から橋へよじ登り
橋の上を徒歩で通過
橋の上を徒歩で通過
橋から舟に向かってジャンプ
橋から舟に向かってジャンプ

問題になっているのは、舟が橋の下を通過する際、船頭は橋に上がった後、舟にジャンプして戻る、通称“橋越え”というパフォーマンス。

観光客からも「楽しい」「ジャンプ力がすごい」と好評ですが、その一方で柳川市には、安全性を懸念する意見が数件寄せられたといいます。

これを受けて市は、「急流でないにしても船頭が不在で乗客のみになることで、危険が生じかねない」と判断し、“橋越え”を行う複数の業者に4月中旬から中止を要請したのです。

これに、“橋越え”を行う業者からは疑問の声も。

“橋越え”を行う川下り業者:
何十年もやってきても、何も事故って起きてないしだから、そんなに危険なもんでもないしね。今まで市は何も言ってこないのに、なんで今更急に。
船頭さんだって一生懸命、観光の人たちのため、喜ぶためにやってるんだからね。

“橋越え”は40年前から行われており、これまで事故はなかったとうのです。さらに…。

“橋越え”を行う川下り業者:
お客さんが「危ないからもうやめよう」って言った時は中に入って。絶対やるわけじゃないんで、お客さんに合わせてやってます。

“橋越え”は客の要望に合わせて安全に行っているといいます。

一方で、川下りで“橋越え”を行わない業者はこのように話します。

“橋越え”を行わない川下り業者:
船頭さんが(一瞬でも)いない状態っていうのはどうなんですか?という話なんですよね。お客さんを楽しませるパフォーマンスは、いっぱいあると思うんですよ。

川下り業者の間でも賛否が分かれていました。

市によると、海上旅客運送の安全管理などを定めた海上運送法では、川下りで使う「ろかい舟」は法規制の対象外。中止はお願いの形でしか言えないといいます。

取材したこの日は、市の要請もあってか、“橋越え”を控える船頭の姿が多く見られました。これにはがっかりする声も。

観光客:
昔から伝統的な文化ですし、やっぱそれ目当てでいらっしゃる観光客の方もいるわけですので、やっぱり“文化”とかは続けていった方がいいんじゃないかなと思いますね。

(めざまし8 5月26日放送)