5月に入り栃木県足利市内で、ガラス戸が割られるなどの器物損壊事件が相次いでいます。

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扉の被害以外にも、ガスの配線が引きちぎられる、庭に消火剤をまかれる、看板を倒されるなどの被害も。

わずか2km圏内で相次ぐ被害に、「夜間の車両へのいたずらや店舗の扉が壊される等の被害報告が複数寄せられています」と足利市が注意を呼びかける事態に発展。

一体、何が起きているというのでしょうか?

被害に遭った店から見えてきた“不可解な犯行”

きのう、「めざまし8」が訪れたのは被害に遭った洋菓子店です。

シュガーフォリア 星野裕美 代表:
(こぶし大の)石を3個くらい投げられていて、ガラスはもう割られて、中に飛び散っていたような状態で。

石で割られたガラス戸
石で割られたガラス戸

17日に店のガラス扉が石で破壊され、ガスの配線を引きちぎられるなどの被害があったといいます。

引きちぎられたガスの配線
引きちぎられたガスの配線

シュガーフォリア 星野裕美 代表:
鍵は閉めてあったのに、ドアが全開になっていたので。入っていろいろ物色することはできたと思うんですけど。それもしないで、ただただ壊していったっていうのは、それだけで気持ち悪いなって。

店内に侵入した様子も、物色された形跡も全くなかったといいます。
金銭を盗むわけでもなく、ただ物を壊すだけの“不可解な犯行”

さらにその5日前には、周辺の3件の住宅で消火剤が吹き付けられる被害が。

この時、近隣の住民は不審な人影を目撃していました。

近隣住民:
リビングにいる時に、3回ぐらいガラスが割れるような音がしたんですよ。その後、人影が急がず平然と歩いていくような姿が。それで自転車に乗って走っていった。

何かを盗むわけでもなく、住宅の周辺を荒らすだけ荒らして去って行く犯人…。
一方、奇妙な痕跡が残っているケースもありました。

取材班が訪れたのは、5月12日に入り口のドアに石を投げ込まれたレストラン。

石を投げ込まれ、大きな穴があいたドア
石を投げ込まれ、大きな穴があいたドア

ドアに大きな穴があいたものの、こちらも貴重品が盗まれるなどの被害はなかったといいます。しかし、店内にはある異変が。

レストラン亜茂礼 被害に遭った店長:
店内に置いてあるアルコールが、となりの会社の横に不自然に置いてあった。

店の中や外にあった備品が持ち出され、他の建物の玄関先に置かれていたというのです。

専門家の見解は?意外な共通点も…

取材を進めると、5月6日から17日の間に起きていた被害は9件。約2km圏内で不可解な事件が集中して起きていたことが分かりました。

元警視庁刑事の吉川祐二氏に現場を見てもらうと、浮かび上がってきたのは“ある共通点”です。

元警視庁刑事 吉川祐二氏:
今まで見てきている店舗っていうのは「扉がガラス」ということですね。ガラスだから破りやすいということ、それは犯人の手口の一つになっていると思います。
(金銭は狙わず)心の中で楽しんでいる、遊んでいるというイメージ。早めに芽を摘まなければ、いろんな事件にいろんな犯罪に広がっていくことを充分考えられます。

警察は同一犯による犯行の可能性も視野に、捜査に乗り出しています。

(めざまし8 5月24日放送)